魅力と才能

魅力と才能

 

魂が目覚めるために

私は、常々、なぜ「魅力」という字と、「魂」という字に鬼という字が入っているのだろうと不思議に思っていた。

魂が眠りから目覚めるためには、鬼に出会うような体験一つまり、鬼という字が象徴する耐えがたき苦しみや恐怖や絶望の体験が、眠っていたその人の魂を目覚めさせるからだろうか。

まるで菩薩像に出会うためには入り口にある仁王様に出会わなければならないかのように。

 

 

私は、人の何に魅力を感じるのだろう?

じゃあ、魅力の中には、なぜ鬼という字が入っているのだろう。

私は、人の何に魅力を感じるのだろう。

魅力というのは、まさに「Power of Being」のことだ。

人はそれぞれの趣味嗜好、美意識、価値観、好き、嫌いがあるから、

魅力とは何かなんて一概には言えないけれど、

少なくとも私自身は人の何に魅力を感じるのだろうか。

 

 

長所と才能の総和なんかじゃなかった

私が好きだなあ、魅力的だなあと思う人を思い浮かべてみた。

そうすると面白いことに気づいた。

私にとって魅力とは、その人の長所や才能の総和なんかではちっともなかったのだ。

私は長所や才能も含めて、

「磨き上げられたその人の欠点、弱点の面白さ」

「時々、垣間見える急所」

「率直さという小気味のいい毒、クセ」

「不器用なくらいの自分に対する正直さ」

「矛盾だらけの純粋さ」

つまり人がなんと言おうと、

こうとしか生きられない自分を引き受けながら生きている人の持つ、

独特の人間味みたいなものに私は強く魅かれる。

 

 

譲れないもの、決してしたくないこと

人は、その人が何を好み、何を選び、何を持ち、何ができる人なのかというところで

その人の個性や感性や才能を感じることが多いのかも知れない。

けれど私は、同時に相手を理解するために、反対のものも見る。

その人が何が嫌いな人なのか、何をしない人なのか、何は持たない人なのか、何は選ばない人なのか、何はできない人なのか。

何に対して怒りや違和感を感じる人なのか、

これだけは譲れないというものは何なのかー

そこにその人の自己尊厳、美意識、価値観という、

在り方、生き方が表れていて、その醸し出しているエネルギーに惹きつけられるのだと思う。

オーラがある人とか強い個性のある人とか、強烈な存在感であることなどは全然関係ない。

自分の中の譲れないものが明確な人は、

真実のYESを生きている人。

真実のYESを生きている人は、

自分にとっての真実のNOをちゃんと生きる力がある人なのだ。

 

 

愛としか呼べないものが、、、

人の魅力とは、「落差、ギャップ」にあるような気がする。

強い人だなあ、すごい人だなあと思っていた人が、

ふと見せる弱さや傷つきやすさは人間くさくていいなと思う。

なんて頭のいい人だろう、意識レベルの高い人だろうと思っていた人が、

とんでもなくヌケているところがあったり、小さなことにクヨクヨしていたり、子供っぽいところがったりするととてもチャーミングだなと思う。

いつもはとても静かで控えめな人が、ある瞬間ものすごく強い面を見せたり、怒りを表現したり、自己主張するところを見ると、

その人が大切にしているものが見えて、その人の意志と情熱の在り処に触れたような気がして魅かれるものを感じる。

いつも明るい人、気丈な人がふと見せる影、

その笑顔の下の悲しみや寂しさや涙に触れるといとおしさが湧いてくる。

作為なくふとこぼれてしまう「その人の瞬間の顔」に真実を見る。

ワークショップをやっていてそういう場面に出会うことがとても多いので特にそう思う。

影とか負とか傷とか闇とか思われる人の心の側面の奥底には、

聖なるもの、気高きもの、健気なもの、温かきもの、

愛としか呼べないものが在る。

癒しの最果てには、必ず。

 

 

才能の不思議

「こんなことくらいサルでもできることだから」

と言われても、私には逆立ちしたってできないことがいっぱいある。

私がふつうにできることだから、

「みんなもできるよね、簡単だよ」

なんて言って顰蹙を買うこともあった。

デコとボコは本当は最高に協力し合える関係なのだけれど、みんな単独で考えるからおかしくなる。

私なんて何の才能もない、平凡な人間と自己卑下している人がいるかと思えば、

才能も魅力も自覚ありありの人は、

その才能と魅力ゆえに知らずにゴーマンになって痛い思いをして、謙虚さを学ばされたりする。

ホメオスタシス(恒常性の原理)は、

生態バランス機能だけでなく、人生にも、関係性にも働いているようだ。

 

 

出る杭は打たれるという呪縛

日本人の集合意識には、

「謙譲の美德」「出る杭は打たれる」「目立ったらやっかまれる」「村八分」

という村意識の呪縛がいまなおあるため、自分を生きることにブレーキがかかっている人が多い。

最近は、目覚め始めた人達が、もうその精神の呪縛を解放して、

自分の人生の主人公として生きる道に歩み始めている。

とにかく、これまでの日本人は、必要以上に、とんがった個性を持っている人を排除しようとする傾向が強かった。

ある集団、団体の持つ「無言の同調圧力」が耐え難い人もいるのだ。

インディゴチルドレンやクリスタルチルドレンやレインボーチルドレンと呼ばれる人たちは、まさにそうだろう。

彼らは、本当の意味で個性の多様性を認める社会の創造の種子だと私は思っている。

新しい意識の目覚めを促す人々は、人類の集合意識のホメオスタシスなのだ。

あなたの周りに「ちょっと変わっている人」「魅力的な奇人、変人、変わり者」はいませんか?

彼ら、彼女たちが安心して自分を表現して生きること、自分の道を歩いていける社会になることは、

この閉塞した社会に風穴を空けてくれるのだと思う。

 

 

自己承認は二人連れ

私は、自分の才能や魅力をぜんぜん受け取れない人には、

ちゃんとお互いに伝えあおうよ、という場を作っている。

「それはあなたの才能だよ、強みだよ」

「そこがあなたの、魅力だよ!」

と伝え合える関係や場は心地良い。

最初は受け取れない人もだんだん慣れてくる。

慣れてきた人は、

そうなんだあ、これって、私の才能なのかぁ、魅力なのかぁって受け取るほどにいい表情、エネルギーになっていく。

そして、その才能をもっと開花させようよ。使おうよ。与えようよ。分かち合おうよという場を作る。

それがあなたも私も周りの人達も共に幸せになっていく道。

魅力も才能もー

自己承認は二人連れ!!

 

 

贈り物

人は皆、この世界に何か「贈り物」を持って生まれるのだという。

その自分の「贈り物」に気づかないうちは、人を羨んだり、妬んだり、引きこもったり、頑張りすぎたりして、心とからだをこわばらせながら、硬い空気を吸って生きてしまうのだろう。

自分の贈り物に気づくのは、それを心から喜んで受け取ってくれる人に出会えた時であり、その人(人達)の笑顔や感動、やすらぎに自分の存在が深くかかわっていることを知ったとき。

おそらく「天才」と言われる人は、天から贈られた自分の贈り物に気づき、それを広く社会に、世界にプレゼントしている人なのだろう。

この世に生まれたということがすでに奇跡なのだから、人は皆「天の才」をもって生まれてきたのだ。

自分という存在は世界でたった一つの個性なのだから、自分の個性に気づくということは、自分の贈り物を知るということ。

自分が持って生まれた贈り物は、決して一番である必要もなければ、社会的評価を与えられたものである必要もない。

自分が好きだと思うこと、楽にできること、心地いいこと、夢中になれること、得意なこと、楽しいこと、訳もなく心ひかれること、それをしているときの自分が好きと言うものの中にたいてい潜んでいる。

『もどっておいで私の元気!』 P116 「贈り物」 岡部明美著より

岡部明美公式サイト

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2018年4月第3刷決定。
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1996年5月刊行から22年間のロングセラー。第12刷。
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岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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