自分を動かす「原動力」ー恐れエンジンなのか歓びエンジンなのか?

自分を動かす「原動力」ー恐れエンジンなのか歓びエンジンなのか?

 

自立

自立した生き方を目指して生きてきたら、いつのまにか人に弱さを見せられないようになり、人とつながれない自分になっていた。

自立の意味を、今の私なら、もっとやさしくとらえられる。

 

自立とは、自分の意思で選択し、行動し、その結果を自分で引き受けるという生き方ができること。

同時に、自分をゆだねたり、甘えたり、頼ったり、相手のそういう部分も受け入れられる関係性の柔軟さを楽しめること。

 

自立とは、お互いの世界を大切にしながら、共に成長しあう関係性を創りつづけてゆくこと。

愛と信頼を深めながら、重くならず軽くたっていられる関係性を築いていくこと。

 

自立とは、ひとりでも生きてゆく力を身につけながら、人はひとりでは生きていけないことを心とからだの芯から感じ取ること。

「自由と孤独」「愛と憎しみ」が背中合わせにあることを知り、臆病になってしまったとしても、

なおもう一度、真から人と一緒に生きていこうという気持ちが湧き上がるのを静かに待てる自分になること。

 

『もどっておいで私の元気!』P52より
(岡部明美著/善文社)

 

 

 

ぬくもり

どれだけ長いこと私は、自分の心とからだをだましつづけてきたのだろう。

どれだけ長いこと私は、人の人生に左右されて生きてきたのだろう。

私の意識は常に「外」を向いていた。

「判断の基準」「行動の物差し」は、私の中にではなく、いつも外の世界にあった。

外とは、他者の目や評価であり、かくあるべしという世間の常識であり、力のある人の知の集積のすごさや、その物差しだった。

外部の物差しや人の評価ばかりを気にしながら生きてきたら、いつも間にか自分の中心がわからなくなってしまった。

私にとって、本当に大切なものが何なのか、私は何を求めて生きているのか、私は何を幸せと感じているのか・・・。

自分の内側に意識を傾け、自分の心とからだの声に耳を澄ますようになったら、次第にからだがあたたまってきた。

私の中にエネルギーが溢れてきて、ぬくもってきて、そのエネルギーが私を生かそう生かそうとしているのが感じられた。

自分のからだのぬくもりがいとおしくなってきたら、やっと自分の感じ方を信頼できるようになり、

自分が本当なにをしたいのか、どう生きたいのかがみえてきた。

 

『もどっておいで私の元気!』P36より
(岡部明美著/善文社)

 

 

 

つむぐ

いのちの、人生のあらゆる場面を、深く深く味わい尽くしてあなたは生きてきた。

味わいたくなんかなかった人生の苦しみ、生きていることの哀しみ、からだと心の痛みを全部引き受けて。

「こんな人生」と思って生きてきたあなたが、その人生を歩いてきてくれなかったら、私はあなたに出会えなかった。

今、自分自身を抱くあなたを見て、人を抱くあなたを見て、私の心は癒されてゆく。

まるで、私は鏡をみるように、あなたの人生を見つめている。

悲しみがひとつ癒されるたびに、古い衣装をひとつ、またひとつ脱ぎ捨ててゆくあなた。

人と人とが一緒につむぎあう人生、織りなすいのちをあたためあえる関係。

あなたが求めてやまなかったものが、今、目の前にあることに戸惑いながら、

受け取ることを選んだあなたが私を見て静かに微笑む。

 

『もどっておいで私の元気!』P84より
(岡部明美著/善文社)

 

 

 

昨日、ずっと見たかった映画「グレイト・ショーマン」を見た。

現在開講している、12期LPLの受講生であるショーゴマンの鎌倉の窓から緑しか見えないご自宅で受講生仲間と共に見た。

ちょうど今回のブログで紹介した詩「つむぐ」と

この感動的な映画のあとにしみじみ湧いてきた思いが同じだった。

影は、光の不在、、、

個の影に光を当てると、

個の影は、存在の深さと軽やかさになり、つながる力になり、隠されていた才能と魅力が溢れ出す。

社会の影に光を当てると、

本来は全てがつながりあって、互いを生かし合っている世界がこの世界の本質であることを知り(相互依存の世界)、

個の進むべき道と社会の進むべき道が自ずとリンクし(互恵、互敬の世界)、

大きな時代の流れを作っていく。

 

LPL認定セラピストのサブ講師、菊池かおり、佐倉亜希子、伊藤マナ

 

現在のLPL養成講座は、LPL認定セラピストがサブ講師として、それぞれが自分のパートのレクチャーをしたり、デモセッションをしたりして活躍している。

菊池かおりさん、佐倉亜希子さん、伊藤マナさん、大塚あやこさんが、12期のサブ講師。

7ケ月の講座であるLPLもちょうど折り返し地点にきた。

今回、第4講の講座は、大塚あやこさんがサブ講師。

クリアーな意識と明晰な知性と情を絡ませない透明感のあるラビングプレゼンスは、あやこさんの存在の輪郭を鮮明に浮き立たせていています。

あやこさんがご自分のブログに書かれたものをご紹介しよう。

 

LPL認定セラピストの大塚あやこさんが4講のサブ講師として活躍してくれた。

カウンセリングはビジネス・経営にも関われる(大塚あやこさんのブログより)

今月は、私のカウンセリング・セラピーの師匠である岡部明美さんが開催している「LPL養成講座」第4講に、サブ講師として参加しました。

休日コース、平日コース、それぞれ2日間。

私の担当は、ビリーフについての講義と、参加者の方とのビリーフリセット公開セッションです。

おかげさまで、「とてもわかりやすい」「腑に落ちた」等好評いただきました。

がんばる社長さんたち

岡部明美LPL養成講座、LPLとは「ラヴィング・プレゼンス・リーダーシップ」の略で、経営者・ビジネスマン・自営業・セラピスト等が集う全7ヶ月の連続講座です。

あり方・生き方レベルから転換することで、自分らしいビジョン/ミッションを生き、人生の質と会社や仕事の質をステージアップし、それにともなって業績もアップしていこうという趣旨のリーダーシップ研修で、会社の社長さんの参加率もたいへん高いです。

LPLに来る社長さんたちには特徴があります。

それは、会社のため社員さんのために、これまで長年に渡りめちゃくちゃ勉強して、努力して、限界まで働いてがんばってこられたこと。

もしかしたら普段会社にお勤めの皆さんにとっては、「社長」というと何か雲の上のよくわからない偉そうな人・・・という印象を漠然と持ってる方もいるかもしれません。

でも実際のところ、社長さんもいろいろ抱えてがんばっている一人の人間です。

私がLPLでお会いする社長さんたちは、本当にいつも会社のことや社員さんのことを真剣に考え、一歩間違えば会社が傾く恐怖と闘いながら「どうしたら、どうしたら」と心を砕き、あらゆることを背負ってがんばってらっしゃるし、人間的にも器が大きくて楽しい方達です。

中には「経営者は人の100倍働いて当たり前!!」をポリシーに、ちょっと無理して痛々しいくらいがんばっている方もいらっしゃいます。

そういう方たちがなぜLPLのような研修に来るのでしょうか。

それは、まさにその「恐怖に追われてがむしゃらにがんばって回す経営」という世界観から脱出し、

「歓びをもってヴィジョンへ向かい、社員さんとみんなで共に幸せになっていく経営」という世界観へと転換したいと望んでおられるからです。

こうやって書くと何かキレイな絵空事に聞こえるかもしれませんが、実はこれはビリーフをリセットして心を転換していけば可能なことなのです。

 

自分を動かす「原動力」

自分という人間が、何を原動力として行動し、現実と人生を作っているのか。

ここを振り返ることはビリーフリセットの根幹原理でもありますが、この原動力のことを「エンジン」という言い方をします。

「◯◯しないとダメになっちゃう~~」
「だからやらなきゃ!」
という恐怖エンジンから

「◯◯したらもっと楽しくなる、うれしくなる!」
「だからやりたい、やろう!」
という歓びエンジンへ。

生きる姿勢・意識のあり方をこのように根本的に変えていくことで、世界の見え方と人生は一変します。

そしてどちらがより幸せかはもう自明ですよね。

社長がそのように生きられるようになることで、その会社や組織の空気が一変します。

そうすれば社員さんの居心地、働き甲斐も一変します。

みんなが恐怖ではなく歓びによって動けば、あらゆることがもっと生き生きと伸びていきます。

そんな、みんながもっと自分らしく、楽しく、幸せになる働き方や組織のあり方がきっとあるはず!
・・・という未来像を信じることができるか。

それを本気で信じて実践しているのが、師匠・明美さんであり、スタッフの皆さんであり、私であり、講座に集うみなさんです。

それはLPLであろうと、私のやっているBRCであろうと同じです。

 

 

この話は、実は今ビジネス界で注目されている「ティール組織」という概念の話と直結します。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
フレデリック・ラルー
英治出版 (2018-01-24)

 

 

今の時代、これまで当たり前にされていたピラミッド型・上意下達型、恐怖や強制力によって統率をとる組織モデルの限界に気づく人たちが増えています。

みんなが恐怖によって追い立てられてがんばることで、一定の成果は出せるかもしれないけれど、お互いのつながりは失われ、心身が疲弊していくという副作用があります。

まさにこれが「恐怖エンジン」の限界です。

一方、それに変わる新しい組織の概念として「ティール組織」という考え方が注目されています。

上下関係ではなく、個々が自分の気持ちを尊重しながら自分らしさを生かし、自律的に動いていくことで、全体が共鳴しながら生き生きと力を伸ばすことができる。

これが「歓びエンジン」に通じるものです。

そんな新しい組織のあり方へと転換していこうという流れが、今世界で起こっているわけです。

その時代の流れにいち早く気づいて、ご自身の会社を転換させていきたいと志す社長さんたちが、LPLに集まってきています。

その第一歩は、社長自身が一人の人間として「恐怖エンジン」から「歓びエンジン」へ心の転換を果たすところから始まっていく。

私たちはそう考えています。

 

価値観激動の時代だからこその意識改革

だからこそ、ビリーフという自身の内の無意識のプログラムによって、ほっておけば恐怖にとらわれる思考のワナから脱出しなければなりません。

その心の仕組みを説き、ビリーフワールドからの脱出をお手伝いするのが、私たちカウンセラー/セラピストということなのです。

カウンセラーとは、必ずしも病んだ人を癒すだけが仕事ではありません。

新時代を切り拓く人の、精神的な脱皮と変容をサポートすること。

多くの人たちを幸せにしていけるはずの、大きな影響力と実践力を持つリーダーたちの、よりいっそうの意識改革と器の充実をサポートすること。

そういうことも、カウンセラーの仕事になるのです。

そういう意味で、今、そしてこれからさらに加速する価値観激動の時代、社会システムも大きく変わっていく時代、ますます必要とされる仕事だと私は思っています。

ビリーフリセット・カウンセラーとは、そういうところにミッションを見ている「カウンセラー」です。

 

 

今回のLPLで私は、全部で4人の経営者さんの公開セッションをしました。

皆さんのテーマは、すべてそのような「時代の変化と組織の変化」というテーマにつながっていました。

もちろん、1回のセッションは長い歩みの中のほんの1地点でしかありません。

しかし、どうしても動かない現実、苦しい心、謎の限界・・・その根底にある、自分では気づかない領域に埋まっている「ビリーフ」を見つけてリセットしていくことは、道なき道に灯る1つ光のような道しるべになります。

微力ながらそのようなお手伝いをさせていただけることは、私にとっても楽しく嬉しいことです。

このような機会をいただいた師匠の岡部明美さん、そしておつきあいいただいたスタッフ、受講生の皆さまに感謝しています。

 

 


岡部明美公式サイト

 

「ワークショップ」「個人セッション」「LPL養成講座」の情報はこちらをご覧ください。

http://www.okabeakemi.com

 


書籍&CDのお知らせ

 

『私に帰る旅』
(学芸みらい社)


角川学芸出版から刊行された本書が、
装幀も新たに学芸みらい社から刊行されました。
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『約束された道』
(学芸みらい社)


2017年6月刊行と同時に増刷。
2018年4月第3刷決定。
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『もどっておいで私の元気!』
( 善文社)


1996年5月刊行から22年間のロングセラー。第12刷。
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『いのちの花』
(CD)


¥2,000
CDは講演会、ワークショップ等で販売しています。必要な方は、Facebookのメッセンジャーにご連絡下さい。

 

投稿者プロフィール

岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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