目次
宇宙的あまのじゃく
「 宇宙的あまのじゃく」
みんなが競って争って人を蹴落としてまで働くので
なんだか居心地が悪い あまのじゃく
「みんな この星に仲良く遊びにきたんじゃなかったの?」
みんなが必死に効果と効率ばかり追い求めるので
どうにも窮屈でやってられない あまのじゃく
「無駄が大切なんじゃない? 宇宙は壮大な無駄なんだから」
みんなが何でもすぐに決め付けて大騒ぎするので
ついついよけいなことを言って混乱させる あまのじゃく
「まだ宇宙も始まったばかりだし もう一億年は待ってみようよ」
みんながあんまりだれかの悪口で盛り上がるので
いいかげんにしなよとたしなめる あまのじゃく
「星雲が美しいのは どの星も他のすべての星と引き合っているからだよ」
みんなが潔癖な聖人のごとく正義を振りかざすので
ちょっとついていけずにため息をつく あまのじゃく
「銀河系中探し回っても 正しいやつは一人もいないと思うがね」
みんなが男だ女だ 日本人だ外国人だとうるさいので
せせこましい分類にあきれ果てる あまのじゃく
「あんたたち全員 この宇宙に生まれた宇宙人でしょうに」
みんながこれは俺のもの ここが私の土地とこだわるので
このままじゃまずいんだよと教えてあげたい あまのじゃく
「今どき個人所有なんてことしてるの この地球くらいだろうな」
みんなが苦しみを避けることばかり考えているので
それじゃ生きる喜びもなくなると知ってる あまのじゃく
「次の星に行くときも やっぱり苦しみのある星を選びたいな」
みんなが自分なんか大した価値はないと落ち込んでいるので
これだけははっきり言っておきたい あまのじゃく
「この星にいることがどんなに尊い奇跡か 宇宙を旅すりゃわかるよ」
みんなが全てはいずれ滅びるだなんて信じているもんだから
ついに天地創造の秘密を打ち明けてしまう 宇宙的あまのじゃく
「今はまだ寒いけど 宇宙はもうすぐうれしい春になるところなんだよ」
晴佐久昌英著「だいじょうぶだよ」(女子パウロ会)より
宇宙的孤独
晴作久昌英さんの詩集は好きで時々読み返すのだけれど
「宇宙的あまのじゃく」は、何度読んでもクスッと笑えて、でも真髄ついているなあと思います。
今日は読みながらふとこんなことを思いました。
孤独、絶望、不安、怒り、哀しみ、切なさ、淋しさ、、、
個人が自分の中にあると思っているいわゆるネガティブな感情の前に「宇宙的」という言葉を付けると、
あらま、なんか壮大な宇宙自身の想いのように思えてスケール感がぐっと広まり、視座が高くなり、ネガティブなイメージが反転する気がするのです。
宇宙的孤独、宇宙的絶望、宇宙的不安、宇宙的怒り、宇宙的哀しみ、宇宙的切なさ、宇宙的淋しさ、、、
いかがですか?
宇宙的という言葉をつけただけで、母なる宇宙が、子なるいのちである私たちのやっていることを憂えての沈黙の想いのように思えませんか?
個として持っているものを自我の普遍的要素と捉え、それをより大きな宇宙という視点で捉え直しをしてみると、
それらがすべて母なる宇宙の慈悲、慈愛に思えてくるのです、私には。
撮影:清水友邦
男に「見事な女でした」と言わせる女のかっこよさ
あまのじゃくと言えば、昨年9月に全身癌で亡くなられた女優の樹木希林さんは、自分でもかなりのあまのじゃくな人間と言っています。
『死ぬ時くらい好きにさせてよ』
『一切なりゆき』
が本屋さんに行くとどこも平積みです。
あれだけの修羅の家族、夫婦でありながら、樹木希林さんが夫、内田裕也さんについて語った言葉が素敵過ぎる。
「もし、来世というものがあって、生まれ変わることがあるのなら、また巡り合うことがないように、出会わないように気をつけたいわね。彼と出会ってしまえば、また好きになって大変な人生を送ることになるから」
「あれほど破天荒で、あれほど純粋で、あれほど優しい人はいない」
一方の内田裕也さんは、樹木希林さんが亡くなった時、
「見事な女でした」と語った。
男に「見事な女」と言わせる女のかっこ良さ。
花屋だって生活がかかってるんだ!!
樹木希林さんの名言集『一切なりゆき』には、
世間の常識の枠から、とんでもなくぶっ飛んだ夫婦関係と家族模様が書かれています。
樹木希林さんが玄米をお茶碗によそると、
「玄米食べて健康に気をつけてロックン・ローラーができるか!!💢」
と夫が怒鳴りちらしたとか。
樹木希林さんは、舞台をやるといつもいっぱいのお花が送られてくるので、もったいないと思い、
ある時から、送ってきそうな人には予め「お花はいらないからね」というメッセージを出すようになった。
すると内田裕也さんは、
「花屋だって生活がかかってるんだ!! 」
と激怒したという。内田裕也さんの怒るツボが面白過ぎる。
離婚裁判までしたのに、最後には夫に「離婚しないでよかった」と言わしめた話とか、、、
なんかぐっとくる話がいっぱい書いてある。
もちろんそういう夫婦エピソードだけでなく、樹木希林さんの人生観もまた深くユニークで面白い1冊だった。
人生なんて自分の思い通りにならなくて当たり前
求め過ぎない。欲なんてきりなくあるんですから。
人生なんて自分の思い通りにならなくて当たり前。
私自身は、人生を嘆いたり、幸せについておおげさに考えることもないんです。
いつも「人生、上出来だわ」と思っていて、物事がうまくいかないときは、「自分が未熟だったのよ」で、おしまい。
こんなはずでは、、、というのは、自分が目指していたもの、思い描いていた幸せとは違う感情ですよね。
でも、その目標が、自分が本当に望んでいるものなのか。他の人の価値観だったり、誰かの人生と比べてただ羨んでいるだけなのではないか。
一度、自分を見つめ直してみるのもいかもしれませんね。
人の人生に、人の命にどれだけ自分が添えるか
お金や地位や名声もなくて、傍からは地味でつまらない人生に見えたとしても、
本人が本当に好きなことができていて、「ああ、幸せだなあ」と思っていれば、その人の人生はキラキラ輝いていますよ。
人の人生に、人の命にどれだけ自分が添えるかという、その体験の深さが、いい役者か、そうでないかというふうに思うんですよね。
私のことを怖いという人もいるみたいだけど、それは私に欲というものがないからでしょう。
欲や執着があると、それが弱みになって、人がつけこみやすくなる。
私は人間でも1回、ダメになった人が好きなんですね。
1回ある意味の底辺を見たというのかな。そういう、人の痛みを知っている人が好き。
おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい
「もっともっと」という気持ちをなくすのです。「こんなはずではなかった」「もっとこうなるべきだ」という思いを一切なくす。
自分を俯瞰して、「今、こうしていられるのは大変ありがたいことだ。本来ありえないことだ」と思うと、余分な要求がなくなり、すーっと楽になります。
幸せといいうものは「常にあるもの」ではなくて、「自分で見つけるもの」。
何でもない日常や取るに足らないように思える人生も、面白がってみると、そこに幸せが見つけられるような気がするんです。
ま、(夫婦関係が)今は元に戻ったというか。人というのはこのように受け取り方を変えれば、同じ人間がこういう風にガラっと変わって生きられるということですよ。
夫を認める。子供も認める。存在をそのままに、あるがままに。そうしたらずいぶん楽になりました。
おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい。
まぎれもない自分を生きる
樹木希林さんは、子どもの頃から「生きることへのしんどさ」を抱えていたと言う。
人が煩わしい。でも、人間には興味がある。基本一人でいるのが好き。風変わり。情が薄い。くだらないおしゃべりが嫌い。友だちがいない。執着心がない。世間の多くの人が興味を持つことに全く興味がなくどうでもいい。ベタベタした人間関係が嫌い。
実に自分はあまのじゃくな人間であると樹木希林さんは自分について語るが、
あまのじゃくという徹底した自分軸、孤高の精神と唯一無比の在り方、生き方をしている人が、私はとても好きなのです。
なんとなく、樹木希林さんと内田裕也さんのエニアグラムタイプが想像できるようなエピソードが満載の本でした。
樹木希林さんは、美人女優のような華やかさや艶やかさはなかったけれど、本当に存在感のある女優だった。
まぎれもない自分を生きるとは、
こういう生き方、在り方なのだということを見せてくれた実に稀有な個性派女優だったと思う。
2019年3月〜4月の活動予定
3月9日(土)
岡部明美&上谷実礼のコラボトーク&オープンカンセリング
(千葉県・市川市)
医師であり、アドラー心理学講師の上谷実礼さんと岡部明美が「働く人たちに心の学びを」というテーマでコラボトーク。その後、二人がオープンカンセリングをします。
◆お問い合わせ、お申し込み
上谷実礼・岡部明美コラボトーク&オープンカウンセリングのお知らせ
3月14(木)〜16日(土)
◆高知・四万十川3Daysワークショップ
日本最古の清流と言われる高知県の四万十川で、大自然に触れながら、歓びを感じる人生、愛と志のリーダーシップ、トップも社員も共に幸せを感じる会社をテーマにワークショップを行います。
◆お問い合わせ、お申し込み
4月16日(火)〜18日(木)
◆秩父3Daysワークショップ
テーマは、「一人の変化を、世界の変化へ」〜人は皆、この世界に贈り物を持って生まれてくる〜
自分の本当の望みを知り、本来の自分の才能と強みと魅力を生かして、周囲に、社会に貢献する仕事や生き方をしたいという方、イキイキと自分らしい人生を生きたいと思う方のためのワークショップです。
◆お問い合わせ、お申し込み
4月28日(日)
◆安曇野1Dayワークショップ(託児付3名まで可能です)
日本の「SDGs」エコホテルの走りである安曇野のシャロムヒュッテでの1DAYワークショップ。
安曇野の美しい自然環境の中で、新しい人生のステージに向かいたい人のための癒しと気づきと新しい選択をガイドするワークショップです。
◆お問い合わせ、お申し込み
岡部明美公式サイト
「ワークショップ」「個人セッション」「LPL養成講座」の情報はこちらをご覧ください。
書籍&CDのお知らせ
『私に帰る旅』
(学芸みらい社)
角川学芸出版から刊行された本書が、
装幀も新たに学芸みらい社から刊行されました。
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『約束された道』
(学芸みらい社)
2017年6月刊行と同時に増刷。
2018年4月第3刷決定。
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『もどっておいで私の元気!』
( 善文社)
1996年5月刊行から22年間のロングセラー。第12刷。
Amazonで購入できます
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『いのちの花』
(CD)
¥2,000
CDは講演会、ワークショップ等で販売しています。必要な方は、Facebookのメッセンジャーにご連絡下さい。
投稿者プロフィール
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心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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