自分らしく生きるとは?

自分らしく生きるとは?

理性から、感性に主人公が変わった

かつて会社員をやっていた頃は、常にゴールを決め、その目標を達成するために逆算して、実行計画を立てた。

実行できたことに一つひとつチェックを入れ、実行できなかったことは改善計画を立て、必ず実行した。

当時は名前こそ知らなかったけれど、いわゆる「PDCAサイクル」をしっかり回していたのだ。

納期や原稿の締め切りを遅れたことは1日もなかった。

講演やレクチャーやプレゼンテーションの時は、

聞いている人から質問がくるであろうことを想定して、徹底的に事前に調べ、完璧に答えられるように準備した。

話す内容は、前日に原稿に全部書いて丸暗記した。

今は全く違う仕事をしているが、仕事のやり方は非常に直感的、感性的になり、人生のプロセスへの信頼が底辺にある。

もちろん人が関わって共に一つのプロジェクトを進めていく上では

理性的な判断力や配慮や進め方は大事だし、必要な場面はたくさんある。

しかし、私は明らかに順番を変えたのだ。

感性から湧き上がってきたものを理性を現実化する能力として使うという順番に。

そうしたら、たしかにいろんなことがうまく回り出したのだ。

感性論哲学の重要概念である

「感性が人間の本質」

「感性こそ個性」

「考え方ではなく、感じ方が人間を決定する」

「感性が主、理性は従」

は本当だった。

感性が主人公になると、

「歓び」「つながり」「創造性」「分かち合い」「共鳴」「共感」「信頼」

の「幸せエンジン」「喜びエンジン」に生きる原動力が変わるので、

人生のステージが明らかに変容する。

 

感性というのは、感受性のことだと思っていた

今は対人援助職の仕事をしているから当然、傾聴力や様々な心理療法はたくさん学んできた。

しかし、私の仕事の中心にあるのは、感性論哲学の芳村思風先生から学んだ哲学だ。

思風先生の感性論哲学は、文明論、生命論、宇宙論、教育論、経営論にまで及ぶ膨大なものだ。

最初に思風先生の講義を聞くまで、私は感性というのは”感受性”のことだと思っていた。

喜怒哀楽の感情。

好き・嫌いという好み。

快・不快の感覚。

美・醜のセンス。

右脳の働き。

そういう働きと外部の刺激に対する自分の反応。

それらの総称を感性=感受性と言うのだと思っていたのだ。

私は元々は、とても直観的で、感性、右脳優位の人間だった。

しかし、20代後半に会社の取締役になった頃から、極めて左脳優位、理性優位になり、

数字を追いかけ、目標達成モードになっていった。

そしてビジネスなのだから、それは当たり前のことであり、そうでなければいけないのだと思い込んでいた。

ハードワーカーだったので、毎日、ユンケル黄帝液を飲んでから会社に行っていた。

 

感性が先(主)、理性は後(従)

しかし、そのような価値観や仕事の仕方や生き方になっていくにつれて、

生きるのがだんだんしんどくなっていき、

ついには、私の心とからだは壊れてしまったのだ。

そのような体験があるので、

「感性」が「生命」と直結していることを私は体験的に理解したのだ。

感性論哲学は、学べば学ぶほど、これは、

「生命の哲学」であり、

「人生の目的を生きて、今生で幸せになる哲学」であり、

「愛と平和の世界を創造する原理」

なのだと思うようになった。

思風先生は感性の本質をこう語る。

今までは、感性の本質は”感受性”という、外部からの刺激によって反応を誘発される「受動的能力」だと考えられてきました。

しかし、実は、感性の本質は、”求感性”(ぐかんせい)なのです。

求感性とは、自分が生きていくために必要な情報を自ら求めて感じ取ろうとする、

主体的で、選択的な、「能動的能力」なのです。

ですから、感性から湧き上がってくる、

欲求、欲望、興味、関心、好奇心というのは、

自分の”人生の目的”を教えてくれるものなのです。

感性が自分の道を教えてくれるものであり、

道を拓いてくれるものなのです。

 

 

自分らしく生きるとは?

大病を契機に私は心の世界の学びと、

自分とは何か?

という自己探求の道に歩み出した。

同時に自然の中で癒される体験や、

からだの感覚を取り戻すことに多くの時間をさくようになった。

自分のからだの感覚がシャープになり、感性が研ぎ澄まされるような体験ができるワークショップには積極的に参加するようになった。

理性、左脳優位になるに連れてどんどん「ベキ・ネバ人間」になり、

自分らしさというものがすっかりわからなくなってしまっていた私にとっては、

そのプロセスは、まさに拙著のタイトル通り『私に帰る旅』だった。

自分らしく生きるというのは、自分の感性の欲求に寄り添って生きていくことだった。

感性の欲求を表現して生きていくことは、歓びにつながる。

それは生きる情熱につながるのだ。

感性は個性、自分らしさだから。

個性は競争しない。する必要がないのだ。

バラがチューリップに嫉妬したり、

楓が松と競争したり、

大根が茄子と張り合ったりするだろうか?

自分でないものを落とせばいいだけなのだと思う。

人と比較し、競争する人生から降りると、

本当に人生はだんだん軽やかに、楽しくなっていく。

自分を知り、自分を学び、自分を愛し、自分の人生に責任を持つようになると、

人は自分の人生のプロになっていく。

そういう生き方ができるようになると、不思議なことに、新しい人生の可能性が拓けていくのだ。

 

自分の人生で今何が起ころうとしているのか?

新しい自分、いろんな自分に出会っていくためには、いつもの慣れ親しんだ習慣、

よく知っている世界から、ちょっと離れてみることが必要だ。

新しい人生の扉というのは、知っている道ばかりを歩いていたり、

いつもの習慣的なパターンを繰り返していては開かない。

予想、予測がつくような慣れ親しんだ世界では、新しい自分にはなかなか出会えない。

習慣の中にいては、自分の習慣に気づけないように。

人は、自分が何をしているかに気づいていなかったら、

自分が本当は何をしたいのかはわからない。

自分の中で今何が起こっているのかがわからなかったら、

自分の人生で今

“何が起ころうとしているのか”

はわからないのだ。

 

人生の”デッドゾーン”は最大のチャンス

日常生活というのは、ほとんど自動的、機械的にやっている習慣の集積だから、

外側から自分を眺める意識を持ちにくいし、

自分の中で本当は何が起きているのかなどと内側に意識を向けることもほとんどない。

とにかく、多くの人の日常というのは、自分にかまけている時間、

自分の世話をする時間が本当にないのだと思う。

やらなければいけないことを次々にこなして生きているのが大方の人の日々の暮らしだろうから。

自分を生きる時間がほとんどないのが日常生活なのだ。

義務と役割を生きるだけのその日常の集積が人生だとしたら、

一体誰が自分の人生を生きるのだろう。

そういう意味では、仕事に追われ、生活に追われ、

自分を見つめることも、自分の人生を振り返ることもなく、

ただ前だけを見てひたすら走り続けてきた人にとっては、

人生の「デッドゾーン」というのは、

自分の人生を、自分の手に取り戻す最大のチャンスなのだ。

新しい自分、今まで気づかなかった自分というのは、

感性が揺さぶられている時に、ふっと立ち現れる。

鮮やかにその自分に出会う瞬間がある。

未知の体験の中で感性が揺さぶられると、

自分がはっきりし、生が鮮やかになる。

揺れている時に、自分のなかに埋もれたままになっていた双葉がふっと芽を出す。

(次回のブログに続く)

PDCAサイクル
生産技術における品質管理などの継続的改善手法。

Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

デッドゾーン
心理学的な意味としては、人生の大きなターニングポイント、試練、脱皮の季節。

デッドゾーンに入ると燃え尽き感、義務と役割、失敗感、自分は偽物のような感覚。

全てが空回りして、混乱し前に進めない。恐れ、生き詰まりを感じる。パワーをなくす。

これまでの価値観や、やり方や在り方、生き方が通用しなくなっているのはわかるが、どうしていいのか全くわからない。

体は生きていても心は死んだような感覚。前にも進めない。後ろにも戻れない。鬱状態。

それは一人で頑張る、一人で問題を抱える、一人で戦うというやり方に終止符を打ち、

誰かと共に生きるという相互依存のステージに入る変化のステージでもあるのです。

このステージは大きな変容の季節だ。本当のパートナーシップ、魂の目覚め、真実の自己を生きるステージに行くための過渡期。

 

 


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岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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