ただ、幸せでいてごらん

ただ、幸せでいてごらん

初期の頃は本当に幸せだった

若い頃からずっと、幸せになりたいと思って生きてきた。

この人と付き合えるようになったらきっと幸せになれる。

そう思っていた人と実際に付き合えるようになったら、初期の頃は本当に幸せだった。

でも、それは長くは続かなかった。

じきに問題が噴出してきて、幸せ感はものの見事に吹き飛んでいった。

人を変えれば、今度こそ幸せになれるんじゃないかと思って、

人を変えても、結局はまた問題が噴出してきて、結局は同じことになってしまった。

また、一人になってしまった、、、

誰もがその名を知っているような有名会社に入社しても、

エゴのプライドが満たされて、最初の頃だけは、はしゃいで喜んでいたが、

長く勤めていくうちに心はちっとも満たされていないことに気づいてしまった。

じゃあ、会社のブランドに関係なく、

自分のやりたい仕事で最高のスキルとキャリアとポジションを得て、

収入もいっぱいもらえるようになったら幸せになれるんじゃないかと思って、

スキルを磨き、知識を増やし、キャリアを積んだ。

「デキル」が増えるに連れて収入もぐんぐん増えていった。

しかし、今年は年収がこんなに上がった!!

と喜んで満たされていたのは実は数日間だけだった。

さすがに何かが違うのではないか?

と思うようになった。

 

 

「ある」と」「ない」

自分に「ない」ものを数えて生きていると、

自分の外側を飾るものと、いつかは消えてなくなるものが増えてゆく。

しかし、ないものを満たしてゆく生き方は、

どこまで行ってもこれで充分とは思えないために、決して満足することがない。

得るほどに失っているものがあることにも気づかずに。

自分の「中にあるもの」、「今あるもの」を感じられる感性があると、

心が満たされ、自分をあたたかく感じえられる。

自分の内側が豊かになってゆく感じがする。

感謝とは、「ある」ものを「ある」と感じられる心の豊かさ、謙虚さだった。

けれど、大切なものほどいつのまにか当たり前になってしまい、

「ある」ことを意識しなくなってゆく。

いのち、健康、家族、友人、パートナー、家、仕事、今日食べられるごはん、

空気、太陽、水、海、山、森の自然。

当たり前になって感謝しなくなると、病気や天災や苦しい出来事がやってきて、

ある日突然、「ある」ということのすごさに気づかされる。

『もどっておいで私の元気!』(岡部明美著・善文社)より

 

 

 

癒し

眠れない夜をどれだけ過ごしたとしても、人に見せなかった幾千の涙があったとしても、

人は、自分が自分のままでいられる世界を見つけることができたら、瑞々しいいのちは再び流れだす。

自分のなかにもともとあった、豊かな感性を取り戻すことができたなら、

自分のいのちは、他のいのちとつながりだす。

流れる雲を見ても、そよぐ風を頬に感じても流れる雲を見ても、

キラキラ輝く若葉を見ても涙が溢れてしかたがなかったあの日。

生きているということが、いのちがあるということが、叫びだしたいほどうれしかったあの日。

癒し—それは、生きていることの懐しさといとおしさをからだいっぱいに感じ尽くした日の想い。

「もどっておいで私の元気!』(岡部明美超・善文社)より

 

 

永遠の夢の狩人

幸せになりたいと思って生きてきた若い頃の私は、

結局、自分を満たしてくれるもの(幸福感・満足感)は、

外側にある誰かが満たしてくれる、幸せを連れてきてくれると信じていたのだった。

何かを得れば、何かを達成できれば、幸せになれると信じて必死に得ることに邁進していたのだった。

しかし、全てを喪失するかもしれないという体験をさせられたことで、生きることの本質に目を開かせてもらったのだった。

この世、三次元の世界は、本当に矛盾に満ち、逆説的なのだということに最初は気づかされた。

人はみな、幸せになりたいというけれど、

不幸というものがどんなものかわからなかったら、

何が幸せなのかはわからないわけだし、

傷つけあい、憎しみあうことのつらさを全く知らずして、

愛の喜び、愛の至福感を味わうことはできないのだ。

自分が本当にほしいもの、体験したいことを味わうためには、

その反対側のものを体験しなければ、それをそれとして認識できないという、この世のパラドックス。

同様に、人は人生に夢を見ることでワクワク生きられるわけだけれと、

夢は叶ってしまったら、それはもう夢ではなくなるという、

この世のもうひとつのパラドックス。

手に入れてしまった夢は、もはや日常に、当たり前になってしまい、ワクワク感は次第に薄れていく。

恋愛と同じだ。

そして、人はまた次の夢、次の人を追いかける。永遠の夢の狩人。

 

得たものを失う恐怖

幸せというものが、何かを得ること、勝ち取ること、達成すること、

自分のものにすることで得られる満足感であると考えている限り、

今度は得たものを失う恐怖と共に生きていくことになるから決して心の平安は生まれない。

幸せの源泉を外に求めている限り、

その求めている対象そのものに依存・執着してしまうので、

結果としてその対象に支配されてしまうことになる。

よく観察してみるとわかる。

「それ」を得れば「幸せになれる」と思って

「それ」を追い求めてしまうわけだけれど、

実は、「それ」を得た時や体験した時の

「満たされた感覚や感情」

を人はほんとうは追い求めているのだ。

しかし、「それ」そのものが目的化してしまうと、

「それが得られない」「それを体験できない自分はダメで不幸せ」のように感じてしまう。

そしてすでに「ある」もの、「持っているもの」「得ているもの」の方には目が向かず、

不足や不満、まだまだの方ばかりに目を向けて、

人生がうまくいっていないように感じてしまう。

人生の幸福や不幸は解釈次第だ。

自分の解釈や判断そのものが自分を苦しめているのだ。

幸せな人は、自分で自分を満たすことをしている。

求めるけれど、求め過ぎない。

自分の人生に自分で責任を取っている。

日常の取るに足らないことや些細なことにも幸せを見つけて喜んでいる。

幸せだなあ、ありがたいたいなあと感じられる感性を持っている。

もちろん、せっかく生まれたのだから、

夢を持ち、夢を追いかけ、懸命に努力することは大切だ。

その真摯な姿は美しい。

夢が叶った日は歓びがこみ上げてきて、生きていて良かったと心から思える。

でも、厳然たる事実がある。

私たちが生きているこの現象の世界は、全てが変化し続けるということだ。

変わらないものなど何一つないということ。

 

この世界の美しさに感動する感性

でも、もし人が、自分が生きているのではなく、

生かされているのだということが腹の底でわかり、

自分の中にすでにある豊かさを感じ、すでに与えられているもの、

手に入れているものがたくさんあることに気づき、

自分の存在を肯定し、愛することができたら、

その時から人生の質が確実に変わり始める。

今、自分に関わってくれている人が、

どれだけ支えてくれ、助けてくれ、励ましてくれ、勇気付けてくれているのか。

優しさや愛を自分にくれているのかがわかって感謝するだろう。

日々の暮らしの中のささやかな出来事に幸せを感じ、

平凡な日常が本当は奇跡のようなことであることを悟る。

そんなふうに感じ方が変わっていったら、

目に見える世界が確実に変わっていく。

この世界の美しさに感動する感性をもっていたとしたら、

現在も未来もおのずと幸福になるように思う。

未来はいつだって今の写し絵だから。

 

宇宙は、ちゃんと「その夢」を叶えてくれる

そして、自分の見る夢がエゴを超えて、

人と分かち合える喜びや幸福であったり、

社会の進化や人間の真の豊かさにとって必要なものであれば、

宇宙はちゃんとその夢を叶えてくれるのだと思う。

そして、そういう夢はみんなのいのちが吹き込まれて、

どんどん大きくなっていくような気がする。

天命=いのちの仕事とは、そういうものなのだと思う。

 

私たちは、いつも呼ばれている

あなたの”いのちの花”を咲かせて生きることが、

自分も周りも共に幸せになって行く道。

宇宙、神が自分に望んでいることを実現することが幸福な人生への道だ。

感性を研ぎ澄ましていれば、

その声は感じられる。

聴こえてくる。

私たちは、いつも呼ばれているし、導かれているのだ。

彼方からの声に。

 

ただ、幸せでいてごらん

ただ、幸せであること。

ただ、幸せでいること。

人が求めてやまない「幸せ」というものが、

“今・この瞬間”

にしかないのだということが本当にわかれば、

それを感じている時間が、宝物のような時間になる。

その時、人は、指の即間から幸せがこぼれ落ちてしまわぬように、

そのかけがえのない体験を抱きしめることができる。

時間とは、あらゆる体験の”尊い一瞬”を味わい尽くし、

楽しみ、抱きしめるためにあるのかもしれない。

 


岡部明美ワークショップのお知らせ

満席になりましたが、これ以降のお申し込みは1席増席可能です。

◆「ボス型マネジメントからの脱却、ミッション経営の切り札1on1実践ワークショップ」

岡部明美&小倉広&上谷美礼

2019年11月29日(金)~12月1日(日)

湯河原リトリートご縁の杜

◆お問い合わせ、お申し込み

神奈川県・湯河原3dayワークショップ

 

岡部明美公式サイト

 

「ワークショップ」「個人セッション」「LPL養成講座」の情報はこちらをご覧ください。

http://www.okabeakemi.com

 


書籍&CDのお知らせ

 

『私に帰る旅』
(学芸みらい社)


角川学芸出版から刊行された本書が、
装幀も新たに学芸みらい社から刊行されました。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます

『約束された道』
(学芸みらい社)


2017年6月刊行と同時に増刷。
2018年4月第3刷決定。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます

 

『もどっておいで私の元気!』
( 善文社)


1996年5月刊行から22年間のロングセラー。第12刷。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます

 

『いのちの花』
(CD)


¥2,000
CDは講演会、ワークショップ等で販売しています。必要な方は、Facebookのメッセンジャーにご連絡下さい。

投稿者プロフィール

岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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