彼岸に持っていけるものは

彼岸に持っていけるものは

今回のブログは、前回、前々回のブログ

「魂の医療」は「慈悲の医療」

コロナ騒動と文明の病にメスを入れる外科医

の続編になります。

生きているということの奇跡

西洋医学は、死を敗北と考えているのだと知った時、私はものすごい違和感を持った。

私たちは全員いつか必ず死ぬのに、死が敗北ってどういうこと?

私たちはみな生まれた瞬間から”敗北者の人生”を歩んでいるっていうこと?

なんか変だ、この考え方は。

そんなことを考えていたある日、写真家であり、作家である藤原新也の著作『メメント・モリ 死を想え』

の中にドキッとする言葉があった。

私は、二十代の初め頃に、彼の著作である

『東京漂流』『印度放浪』『全東洋街道』を夢中になって読んでいた時期がある。

私は、彼の生死に関する洞察、人間の心の闇の深さと光を見る眼、

混沌の中に生の本質を探ろうとする姿勢、

東洋に対する眼差し、この時代への“問い”に対して、

ただならぬ感性と洞察の鋭さ、深さを感じていた。

何か、私の心の深い部分をえぐられたように思った。

日本が、ひたすらアメリカの成功と栄光、豊かな消費社会に目を向けていた頃、

彼は時代の風に逆行するかのように、ただ東洋を見続けていた。

アジアの持っている猥雑なるエネルギーと混沌、この世の行き止まりと吹き溜まりのような世界・・・・。

その地上世界の上に広がるどこまでも澄み切った天上の蒼さ、青さ。

アジアの子供たちの持っている美しい目の輝き。

彼は、ファインダーを通して一体何を見続けていたのだろうか。

ファインダーとは、彼のスピリット、魂の眼そのものだったに違いない。

私は、彼が見ようとしているもの、探そうとしているもの、求めているものを知りたかった。

彼の意識が向かうものを感じていたかった。

この世の果てにあるものを私も知りたかった。

彼の作品を貪るようにして読んでいた二十代の私には、

十分な若さと時間があり、欲しいものも少しずつ手に入るようになっていたのに

何かがいつも満たされていなかった。

心が求めているものとは違う何か、私の存在の奥深くで求めているもの。

それは、今にして思うと、私の魂の渇き、飢えのようなものだったのかもしれない。

 

死は生のアリバイ

「メメント・モリ」とは、元々、ラテン語で、”自分が死ぬべき存在であることを思い出せ”という意味らしい。

ページを開くといきなり

「死の瞬間が生命の標準時」

なんていう言葉が出てきて驚いた。

本当の死が見えないと、本当の生も生きられない。

等身大の実物の生活をするためには、

等身大の実物の生死を感じる意識をながめなくてはならない。

死は生の水準器のようなもの。

死は生のアリバイである。

MEMENTO-MORI

藤原新也『メメント・モリ 死を想え』(情報センター出版局)

″死は生のアリバイ〃

どこから出てくるんだろう、こんな言葉。

〈死は、病気ではない〉〈人間は、犬に食われるくらいに自由だ〉〈市場があれば、国家はいらない〉

〈誰にも氷点はある。必ずやって来る〉

〈人間の氷点を溶かしてくれるものはニンゲンだ。ニンゲンの体温だ〉

〈旅やがて思想なり〉

この人の言葉にどれだけ今までドキンとさせられただろう。

人生を深く生きようとする人の旅というのは”巡礼”みたいだと思う。

そんな旅を私もしてみたい。

世界は、生にあふれているかのように見える。

そして、誰もが生きることを考えている。

しかし、生の輝きを見る意識だけでなく、死を眺める意識というのも、

人生の深さや、真の喜び、この世界の美しさに深く触れていく意識の水路なのではないかと思える。

死は、生の一部であること、生の中には、予め死が”包含”されているということを

“体験”として知り、もう一度この世界に戻ってきたという事実が私に教えてくれたことは計り知れない。

『私に帰る旅』
(岡部明美著/学芸みらい社)より

 

『いざ、霊性の時代へ』(長堀優著)より抜粋

彼岸に持っていけるものは

彼岸とこの世を行き来する命が永遠であるのに対し、肉体を持ったこの世での暮らし
は、限られたごく短い時間にすぎません。

ですから、現世における栄達や富などは所詮儚いものです。

もちろん、あの世に還るときには持っていくことなどできません。

見えない身体となり、彼岸に還る時に持っていけるのは、目に見えない心の豊かさだ
けです。

心の豊かさとは、人間の本質である仏性の一つ、「慈悲」の心に基づいた行動です。

肉体を持っているかけがえのないこの人生において、周りの人に寄り添い、喜びを共にし、

悲しみを減じる、そして、日々出会う相手と愛を分かち合う経験を積み重ねる生き方こそが、

心を豊かにし、自分に幸せを齎(もたら)し、人生を実り多いものにしてくれるのです。

霊性に根差して生きるためには、このような慈悲心や愛に基づく行為は極めて重要となります。

万物が助け合い、共生する世界を構築するうえで決して欠かすことはできません。

「すべての存在が、いかに互いに愛のカで結び合えるか、世を覆う物質中心主義、営利主義に対するアンチテーゼはこれしかない」

シュタイナーのこの言葉が、希望に溢れた未来を拓く行動を明確に指し示しています。

 

メディアの煽り、洗脳や束縛

では、集合意識を良き方向に向けるためには、どうしたらよいのでしようか。

そのためにはまず、世の動きに惑わされることなく事態を分析する力、

つまり現在の世界の裏側にある動きを見極め、

この先の出来事を想定することのできる冷静な判断力が必要となります。

そのためには、メディアの煽り、洗脳や束縛から解き放たれた「自由な感性」からの判断がぜひとも必要なのです。

この感性こそが、輝かしい未来を実現させるカギとなるのです。

コロナ不安を煽り続けるのも、巨大な経済損失の穴埋めを映画

『Vフォー・ヴェンデッタ』)が挑んだ国家権力と同じように

「特効薬」や「ワクチン」を売りつけることで補おうとする動きであるのかもしれません。

しかし、子宮頸がんワクチンの薬禍を私たちは忘れてはいません。

もうメディアに踊らされてはいけないのです。

だからこそ、私たちには今、束縛や洗脳から解放された「自由な感性」で判断することが望まれているのです。

言葉を変えれば、世の騒乱やその背後に存在する動きのすべてを、

鳥の目から眺めるかのように、心乱すことなく俯瞰することです。

 

現在の経済制度が破綻したとしても

アメリカドル破綻の兆しは、すでにあちこちに顕れています。

コロナ騒ぎが沈静化した後に待っているのはアメリカの破産と世界的な経済大変動であるかもしれません。

その場合は、円もユーロも元(げん)も無事であるわけはなく、

世界経済の大崩壊が誘発されることでしょう。

しかし、たとえ現在の経済制度が破綻したとしても、絶望し思考停止に陥る必要はありません。

そもそも、強者と弱者が存在するような経済制度など、皆が望む理想のシステムとは程遠いものです。

これまで世界を席捲してきた物質中心主義、拝金主義が、

奪い合いや紛争を引き起こしてきたことは明白です。

金やモノに執着するエゴが、現在の世界の苦境を招いたといえます。

 

愛が循環する社会システム

ですから、この先に求められる行動は、

奪い合いや争いではなく、

助け合いや分かち合いへの集合意識の変換以外にはありえないのです。

来るべき経済の大変動が望ましい方向に向かうなら、

従来の物質中心主義とは一線を画した新たな経済秩序を一から立て直す絶好の機会になるかもしれません。

もちろん、この難局を乗り越えるためには、相応の覚悟が必要となります。

一時的には、金融や物流が滞り、混乱が生じる可能性もあるでしよう。

しかし、すべてはより良き社会の実現に向かうための生みの苦しみです。

「奪い合い競い合う経済」から、

「助け合い与え合う社会」へ

言い換えれば「愛が循環する社会システム」

実現への第一歩になる可能性を秘めた混沌なのです。

だからこそ、どんなことが起ころうとも、パニックに陥ることなく、冷静に行動する必要があります。

つらい時期があっても、皆で乗り越えれば、希望に満ちた明るい未来が招来されるのです。

破綻が絶望を呼ぶのか、あらたな分かち合いの社会の実現への一歩になるのか、

選ぶのは私たち一人一人の「自由な感性」であり、すべてを俯瞰する冷静な視点なのです。

皆の集合意識が、望ましい未来社会を共有できれば、

その通りに実現するのが宇宙を統べる大原則です。

価値観の大変革を迎えようとするこの時代、

私たちが忘れてはならない心がけは、未来への希望とともに、愛や思いやりと調和の精神です。

東日本大震災のときにも、お互いの思いやりを失わず世界から絶賛された日本人なら絶対に出来るはずです。

どんな災厄が起ころうとも、私たちの、心掛け次第では望ましい未来を導く、天啓になりうるのです。

私たちは試練を克服し、新しい社会を築きあげていくしかありません。

 

地球の意志

本当の神とは、大自然や宇宙を造って、人間や動物や植物をつくって、生かしてくださっている目に見えない大きな力です。

日本人は、このような存在に対し、感謝を捧げてきました。

本来、神は拝むものではなく、感謝する存在なのです。

神に感謝し、自然を守ることは、神の心を、地球の意志を尊重することです。

このような生き方が、日本人が古来慣れ親しんできたはずの「霊性に根差した生き方」なのです。

この生き方に自信と誇りを持って、世界に広げていくことが、とりもなおさず人類を存亡の際から救い出す第一歩になるはずです。

我々の想像をはるかに超える宇宙の意志は、決して日本人を苦しめようとはしていなことや

真の「強さ」を持つ私たち日本人は、気づきを促すための試練を与えられていると言えるのではないでしようか。

心、そしてその根底にある魂が、真に求めるものは、お金や名誉ではありません。

魂は、真に愛し、愛されることを欲しています。

この魂を喜ばせ、元気にさせるよう行動していくことは、個人の健康のみならず、健全で温かい社会の育成にもつながります。

皆の意識が少しずつ変わり始め、愛に気づく人が増え、他人への奉仕、思いやりといった態度が尊重されるようになると、人心の荒廃、環境の悪化といった深刻な問題も、よい方向に向かい始めるはずです。

日本人にとっては決して難しいことではないはずです。

 

魂の進化と成長のためには

私たちは、今こそ大自然、ひいて宇宙につながっていた私たちの祖先の生き方を思い出し、

協調性や分かち合いの精神を尊重する生き方に立ち戻ることです。

縄文時代は、カによる征服や支配も争いもない時代でした。

人々は、宇宙を司る大いなる存在とその顕現である大自然に感謝を捧げ、

怒りや不安、恐怖とは無縁で、喜び、満足感や安心感に満ち溢れた生活を送っていました。

しかし、魂の進化と成長のために、人類は神と繋がる生活から敢えて一度離れ、自由意志を選択する道を選んだのです。

宇宙にネガテイプなことがないのだとすれば、

縄文の文明や精神が破壊され、物質文明が極まっていく体験は、

日本人にとっても人類にとっても、意識の幅を広げ、

その深みを増していくためにはかけがえのない過程であったはずです。

苦難を越えた人類が到達する先には、地球、そして宇宙が一つに結びついた大調和の世界があるはずです。

 

夜明け前の闇が一番深い

私たちが、この地球上で体験する困難、苦難、試練は、

魂の目覚めや成長・進化の機会であり、大いなる存在からの贈り物です。

「夜明け前の闇が一番深い」とも言います。

今追いつめられたように見える日本人にとって、

なによりも大切なことは、日本人自らが、日本を愛し、日本人としての矜持を取り戻すことにつきます。

日本人の気づきからすべてが始まります。

絶望の前に立ち尽くし思考を停止したまま破滅を迎えるのか、それとも、

今生における使命を思い出し、敢然と立ちあがり、

最後の一時まで希望を捨てずにチャレンジをつづけるのか、その答えは明らかです。

この地球に愛と調和をもたらす活動に一刻も早く加わり、

奇跡の瞬間を皆と分かち合しましょう。

自らできることは、自らの感性を信じ、自らの意識を変えることです。

人を変えることなどできません。

でも、自らの意識を変える人が増えれば、

集合意識も変わり、社会も変わっていきます。

集合意識を変えるのは偉い人や、政治ではありません。

私たち一人一人が気付くことです。

これから迎えるであろう大転換の時代を乗り越えられるかどうかは、ひとえに日本人の気づきにかかっています。

日本人の意識の目覚めが、地球の次元上昇には不可欠なのです。

 

出典:『いざ、霊性の時代へ』(長堀優著/でくのぼう出版)より。

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岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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