魂を語ることを恐るるなかれ

魂を語ることを恐るるなかれ

地球(ガイア)の声が聴こえますか

今では多くの人に知られることになった自主上映映画「地球交響曲」(ガイアシンフォニー)。

1990年代に始まったこの自主上映の映画は、

1番から8番まで総観客動員数240万人。驚異的な数である。

この映画は日本人の意識が大きく変わり始めたことを示す時代のエポックメイキングだったと思う。

本屋の「精神世界」というコーナーに置いてある本もこの頃から急に増え始めた。

私が「地球交響曲1番・2番・3番」を見たのは1997年のことだった。

友人に誘われて、龍村仁監督が制作したこの映画を見に行ったのだ。

この映画のベースになっているのが、 イギリスの生物学者ジェームズ・ラブロックの“ガイア仮説” だった。

「ガイア仮説」とはNASAに勤務していた大気学者、ジェームズ・ラブロックが提唱した理論だ。

つまり、地球自体を自己調節システムを備えた「巨大な生命体」と捉え、

生物と環境の相互作用がそのシステムに組み込まれたものであるとする説である。

すなわち、この説によれば、地球はそれ自身が精巧なシステムを備えているのであるから、

地球環境への負荷、汚染、破壊、不必要な人為的な介入は避けるべきであるといった考えである。

 

Don’t be afraid to talk about sprit.

「ガイアシンフォニー3番」で、

故星野道夫さんの盟友であるアラスカのクリンキッド族のボブサムは、

太古の森のような独特のくぐもった太い声でこの言葉を言い放った。静かに、でも、力強く。

「Don’t be afraid to talk about sprit. (魂を語ることを恐るるるなかれ)」

私は、この言葉をからだ全体で受けとめた。

海に降る雪のように、

私の存在の全体に

ボブの声と言葉が溶けていった。

これから、ページをめくるようにして、

時代は大きく変わっていくだろう、、、

私は、そう予感した。

 

ひとつの糸でつながっていた

1997年に「地球交響曲」を立て続けに見たあとに思ったことは、、、

「ひとつの糸でつながっていたんだ・・・」

ということだ。

1991年の生死を彷徨う病気の体験、その3年後の再発。

それが大きな引き金になって、

自然に自己探求が始まった。

同時に治癒を目指して、様々な代替医療や自然療法、食事療法、断食療法、気功、セラピー、瞑想などの体験を重ねていった。

心理学や哲学や精神世界の本も読み漁った。

からだ、心、魂、いのち、神、宇宙一

それらのことに私の興味、関心がすごい勢いで向かい始めた。

昔は、非科学的、アヤシイ、胡散くさいと思って近づきたくなかった世界、

壮大過ぎて、神秘的過ぎて、私にはわからないと思っていた世界だったが、

自分の偏見や思い込みなしで、まっさらな気持ちでこの世界を知りたいと思うようになった。

外向的だった私の意識が、初めて内側に向かい始めた。

その過程でこの地球交響曲にも必然のようにして出会ったのだった。

その頃から不思議な出逢いがどんどん起こるようになっていた。

その出逢いに導かれるようにして、私の人生は想像もしていなかったような展開になっていったのだ。

 

地球という「ひとつの生命体」の危機

シンクロは日常的に頻繁に起こるようになった。

自分がどこに向かって歩いているのかわからないのに、

何者かに手招きされているような感覚があり、

その感覚を頼りに歩き出した道のりで体験したこと、学んだこと、気づいたことが、

ひとつの糸となってつながっていたことをこの映画を見て強く感じた。

発病前に私の人生で起きていた葛藤・混乱・行き詰まり感、その結果の出来事としての生死を彷徨うような病気。

それらが、一個人の問題だけではなく、

社会全体、ひいては、地球という“ひとつの生命体”の危機と同様の問題を孕んでいることを強く感じた。

私が大病を患い、身体障害者になるという体験をしたのは、

1991年のことだった。

1991年は、社会的にはバブル崩壊の年だった。

実体経済ではなかった経済社会は文字通り、泡のごとく消えていった。

私もまた等身大、自然体の自分から遠く離れ、

何者かになろうとして、無理して、ふりして頑張り続けた人生がもう限界状態になり、ついに崩壊した。

完全なるバーンアウト(燃え尽き症候群)だった。

個人の人生においては、これまでの自分を手放すために様々な形での「ウエイクアップコール」が鳴り続ける。

日本の社会においても、世界においても、自然災害や人為的災害が多発するという現象を通して地球から警告が鳴り続ける。

3、11はその最大の警告が地球から鳴らされたと捉えるべきであろう。

21世紀は、「環境意識」「地球という惑星意識」「宇宙意識」「自己の本質」への目覚めの時代になり、

新しい社会システムが創造されていく時代になっていくだろう。

同時に、物質文明から心の時代、

心の時代から魂の時代、

つまり、スピリチュアリティ(霊性)への目覚めが加速化していくだろう。

 

新しい時代の潮流

「地球交響曲」という映画は、それを実感させてくれた映画だった。

もし、その方向へ進むことができなかったら、日本も含め、西欧の文明社会、地球環境は、

もはや救われないところまで行ってしまうのだろう、ということを否応なく考えさせられる映画だった。

「地球交響曲」という映画が、日本の自主上映史上映画の最大動員数を誇り、じわじわと社会に浸透し始めた現象は、

私がそれまで学んできた新しい医学や心理学と同じ潮流にあることを感じさせた。

西洋医学一辺倒だった世界に、

代替医療、統合医療、ホリスティック医学、バイブレーショナル・メディスン、ナチュラル・メディスンなどが登場し、医学の世界が変わり始めていること。

心理学やセラピーの世界にも、

タオイズム、瞑想、禅、東洋哲学を取り入れたトランスパーソナル心理学が広がり始めていたこと。

物質の科学である物理学の世界に量子物理学が登場し、

目に見えない世界を科学し、

宗教と科学が限りなく接近し始めていること。

数え上げれば新しい時代の潮流、パラダイム・シフトを象徴している社会現象はいくらでも見つけることができた。

 

宇宙から静かに地球を眺める

この映画は、遥かなる時空を超えて幾多の生を生きてきた私たちの魂に静かに訴えかけてくるものがあった。

漆黒の宇宙に浮かぶ美しい水の惑星「地球」を宇宙から眺めるという眼差しが私の中に生まれた。

人間や地球というものを宇宙からただ静かに眺めていると、

過去・現在・未来と一直線上に進んでいるかのように思い込んでいる“時間感覚”や

まぎれもなく実在していると思いこんでいる肉体や思考や感情、

その肉体と自己同一化している“自我意識”や“国境意識”までもが溶解していく感じがした。

 

すべては分かちがたくつながり合っている

どんなに壁や窓や扉で区切ろうが、部屋の中の空気と外の空気は同じものだし、

台所の空気とベッドルームの空気だって同じものだ。

アメリカの空、イランの空、北朝鮮の空、日本の空なんて実際はないわけだし。

それぞれに分かれて存在しているように思われる各大陸、島国も、

地球から海水をとったらひと続きの広大なる大地だ。

私たちは本当は、同じひとつの大地の上に共に生きているのだ。

空や海や大地をどうやって分けることができるだろう。

すべては、分かちがたくつながりあい、関わりあって、

相互補完的に成り立っているのがこの世界の真実なのに。

 

違いを理由に戦っている

本当はひと続きの大地と、ひとつながりの海と空の中で生かされているすべての生命なのに、

人類はこれまで、宗教・信仰の違い、思想の違い、民族の違いで、人と人が殺しあってきた歴史だ。

それが人類の歴史の闇の部分だった。国と国だけではない。

価値観の違い、性格の違い、意見の相違で、人と人が責め、裁き合っている「人間の関係」

誰もが誰かと日常的に闘っている。心の戦争をしている。

自分の中でさえ、理性と感性が対立し、葛藤を抱え、安寧とは程遠い心の状態である。

世界の平和は、一人ひとりの心の平和からしか生まれないのに、自立系武闘派女子だった私は、どれだけ人生と闘ってきたのだろう。

もう本当にその人生に私は疲れ果ててしまったのだ。

だってちっとも幸せになれなかったのだもの。

 

この宇宙の完璧なる秩序

私というひとつの生命体は、

地球という生命体の中で生かされており、

その地球という生命体は、

より大きな宇宙という生命体の中で生かされているということへの目覚めが求められているのだ。

そして、この宇宙の完璧なる秩序を創造し続けているもの、

宇宙に存在するあらゆる生命、存在、物質を創ったのも人間ではないのだとうことへの目覚めもまた。

私たちをこの世界に在らしめたその大いなる存在・源の意識・愛・意志・叡智、

その働きを仮に神と呼ぶならば、

私達は皆、そこ(それ)から生まれ、そこ(それ)に還っていく存在なのだ。

人は、日常のあまりの忙しさに追われて生きている時は、

深く考えること、深く感じること、自分に問うということを忘れて生きているけれど、

本当は人は皆、心の深い部分では、

こうした、「実存への問い」「宇宙、神への問い」を持ちながら生きているのではないだろうか。

 

真の意味での「スピリチュアリティの目覚め」

宇宙がこのようにして「在る」ということ、

私がこの星に生まれ、このような存在として「ただ、在る」ということ、

私たちはこの宇宙の生成に瞬間ごとに立ち会っているのだということ、

これほどまでの多様な生命が、

地球上に共存・共栄しながら「生きている」ということ

これを奇跡と呼ばずして、何を奇跡というのだろう。

私たちも含めすべての存在、森羅万象が、

大いなる存在の創造の神秘なのだと思うと、私は何かふるえるほどの感動を覚える。

その宇宙の源から生まれ、生かされているすべての存在は、

大いなる生命・ひとつの意識として本当はみんなつながっており、生かされているのだ。

このことへの驚嘆と感動と畏怖こそが、

真の意味でのスピリチュアリティの目覚めであり、

地球―ガイアの意識は、私達にそのことに目覚めなさいと言っているのだと思った。

 

ひとつのいのち・ひとつの意識

地球は女神の星とか、マザーアースといわれる。

母なる大地、地球が人類に警告を発しているとしか思えないことが今世界中で起こっている。

もっと言えば、その地球を創造した、慈愛に満ち溢れた母なる宇宙が、

これで変わらなかったらもう人類の未来はないよと言っているような気がする。

宇宙の意識も、ガイアの意識も、私たち人間の意識も、

本当はひとつらなりの大いなる「ひとつの意識」であり、

すべて存在は同じ「ひとつのいのち」によって生かされているのだということへの目覚めが今本当に求められているのだ。

 

古い船を漕ぎ続ける人と、新しい船と航路を求めている人と

あれから20年の歳月が流れた。

2011年以降は特に、昭和の価値観やライフスタイルやワークスタイルが

もはや過去のものになり始めていることを実感することが多くなった。

精神的豊かさと、豊かな時の過ごし方を求める人々。

人と人とのほんとうのつながりや自然とのつながりを大事にする人たち。

多様なものが多様なままに生かされる世界を創ろうとする人たち。

新しい働き方、多様なパートナーシップの形、多様な暮らし方を求める人たちはいくらでも周りにいる。

古い船を今なお漕ぎ続ける人々と、

新しい船を漕ぎ出すことを決意し、

どの方向に舵を切りたいのか自分は?と自らに問いかけ、

新しい航路を探し求める人たち一

人の意識の二極格差が広がっていることを最近とみに感じる。

「地球交響曲」が時代の意識を変え始めてから20年経って、

いよいよ地球の再生、復活への具体的なムーブメントが今世界的な潮流として起き始めている。

 

 

次回のブログでは、この女神の星ガイアの再生と復活の世界的プロジェクトであり、ムーブメントでもある「SDGs」について触れてみたい。

 


 

YouTube【あけみちゃんねる】は現在、月に1回、“徹子の部屋”風に毎回ゲストを招いての「ライブトーク」(1時間)と

『もどっておいで私の元気!」(善文社)の「朗読YouTube・詩と音楽と映像のシンフォニー』(約4分)の2本立てのチャンネルです。

多くの方にチャンネル登録していただきありがとうございます。

【岡部明美 朗読Vol.05】
タイトル:いのちの花~この広い宇宙の中であなたに出逢えた奇跡にありがとう~

 

【岡部明美第四回ライブトーク】
ゲスト:神渡良平先生(作家)

 

 


● 2023年2月24日(金)~26日(日)2泊3日

岡部明美&伊藤マナの、湯河原コラボワークショップ
(講師:岡部明美・伊藤マナ)

テーマ
真実のパートナーシップ
〜男性性と女性性の統合が鍵〜

場所
湯河原リトリート ご縁の杜 -Goen no Mori-

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● 2023年3月24日(金)~26日(日) 通いの3日間

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(講師:岡部明美・小倉広)

テーマ
ティーチングでもなくコーチングでもないカウンセリング型1on1の型を身につけると共に、その原点となる本物のカウンセリング・心理療法を体験する。

場所
中野サンプラザ
(JR中野駅前)

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● 2023年4月21日(金)\~23日(日) 2泊3日

岡部明美&清水友邦 岡山3Daysワークショップ
(講師:岡部明美・清水友邦 )

テーマ
パワー・オブ・ビーイング \~存在の力\~

場所
WaRa俱楽無 (百姓屋敷わら)

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週末/平日 第7講:決まり次第HPにてお知らせいたします。

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1996年5月刊行から24年間のロングセラー。第12刷。
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『いのちの花』
(CD)


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投稿者プロフィール

岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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