責める
人を責めているとき、同じくらい自分を責めている私がいた。
人を傷つけてしまったとき、相手の傷と同じくらい、自分の中にも傷ができた。
自分自身を痛烈に批判する私がいるから、人からの批判や攻撃は恐ろしく、いつもどこか身構えていた。
「傷つけてしまった人のことをずっと悔やんでいるけれど、自分のことをどれだけ傷つけて生きてきたのかわかっている?」と、ある人に言われ、ハッとして言葉を失った。
自分が自分につけた傷とは、劣等感や敗北感や無価値観、自分を否定したり嫌悪している部分だった。
確かにこれらは自分で自分につけた傷口だった。その部分にひとが触れたとき私は傷つけられたと感じた。
でもすでに、傷口はあったわけで、その人がまっさらな上にナイフをつきつけたわけではなかった。
傷つきやすい人というのは、自分で自分にナイフをつきつけて生きてきた人なのだろう。
自分を傷つけるこのナイフを捨てなければ、大切な人に出会いながら、その人を失いかねない。
自分に向けるナイフは当然人にも向けるナイフになるのだから。
『もどっておいで私の元気!』岡部明美著/善文社
自分を責めることも、人を責めることももう本当に終わりにしたいと思ったんだ、かれこれ25年くらい前に。
だって自分を責めても、人を責めても、その後の後味の悪さはちっとも幸せ感などなく、
「何が違うこれは」という感触が拭えなくなったからだ。
私が本当に望んでいる在り方や生き方や幸せなコミュニケーションってなんだろうってずっと探していた。
人生の「未完了の感情」や「未解決の問題」が、
自分の自動反応の「恐れエンジン」になっていたことに気づいてからは、
過去をちゃんと過去に置いてくる心の作業を丁寧にやっていた。
ある時「苦しみの終わり」(バイロン・ケイティ著)という小冊子を友人からいただいた。
何かピンとくるものがあった。
巷に溢れている「幸せになるための法則」「成功法則」「願望達成の法則」などは、
その頃の私の心の琴線に触れるものではなかった。
バイロン・ケイティの本格的な本、「ザ・ワーク」を読んだ。
私達は、どれほど自分の思考と自分を同一化し、思考のプログラムに自分の人生を乗っ取られていることだろう。
仏教の「四聖諦」「八正道」も、「老荘思想」も全く知識もなかったバイロン・ケイティさんが、人生のどん底で見つけた「滅苦」の方便。
逆説的だが、苦しみの終わりが、
幸せになることを求め続ける人生から、すでに幸せであることに気づける道への誘いだった。
具体的に知りたい人は、「ザ・ワーク 人生を変える4つの質問」(バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル著 ダイヤモンド社)を読んでみたり、youtubeでご覧になるといいと思います。
このYouTubeを見ると、カウンセラーやセラピスト、コーチなど対人援助職をしている人は、
自分にも出来そうな気がしてやってみるが、最初は撃沈することが多いと思う。
やはりケイティさんの「Power of Being」のなせる技であることにまず気づく。
相手に、「自分の問題であることに気づかせよう」「前向きにさせよう」「プラス思考させよう」「違う視点を持ってもらおう」「教育しよう」「目標設定させよう」、、、
こういった無意識のコントロールがある間は上手くいかないのだ。
ケイティさんの在り方は、まさに「loving presence」だ。
このブログでは、バイロン・ケイティの言葉で私が好きなものをご紹介します。
・傷ついた感じや何らかの不快感というものは、第三者が引き起こすことはできません。
・自分以外の誰も、自分を傷つけることはできないのです。
・自分の考えを信じることによって、自分が自分を傷つけているのです。
・ある考えで心が傷つくとしたら、その考えは真実ではないという合図だ。
・今まで起こった最悪なことは、「調べ直し」をしていない、あなたの思考が創り出したものだ。
・不正直な「イエス」は、自分自身に対して「NO」を言うことになる。
・恐れから行動すると、愛を受け取ることができません。
・「愛されるには~をしなければならない」という考えを信じ込んでいるからです。
・ストレスを生む考えはすべて、あなたを他の人たちから切り離してしまいます。
・これまであなたが相手にアドバイスしてきたことすべては、あなた自身が聴く必要があること。
・「防衛」は、先制攻撃です。
・ずっと待ち望んでいた恋人に会いたい? 鏡を見て下さい。
・現実と闘うと、心に痛みを感じる。
・自我は愛さないーそれは必ず何かを手に入れようとする。
・先生、教師にたずねたいと思うことは、あなた自身にたずねてみること。
・もしあなたが本気で真実を知りたいと思った時には、答えは必ずあなたからやってくる。
・私を好きになるのは、私を大切にすることは、私を愛することは・・・あなたの仕事ではない―それは、私自身の仕事だ。
・あなたが必要としている教師、マスターは、あなたの中に一緒に住んでいる人です。
・私が自分の観念を手放すのではない。
・私は、その観念、思いこみと出逢い、問い直しをする。
・すると、それが、私を手放す。
・現実はつねに、それについてのストーリーよりも優しい。
・現実は常に、あなたの考えより、優しい。
・あなたの思考が、最もあなたに厳しく、いたわりと優しさがない。
・私を自由にできるのは、私しかいない。
・私をしあわせにできるのは私しかいない。
・もし、あなたが、あなたの考えの「問い直し」をちゃんとやるならば、それがきっとわかるだろう。
・人生の問題には、3つの領域がある。
「自分の領域」
「相手の領域」
「神の領域」
人が取り組むことができるのは、「自分の領域」だけ。
・頭の中で、「自分の領域」から離れてしまったら、すぐさま分離や孤独、恐れを体験します。
・あなたの外にあるいかなるものも、あなたが求めているものを与えてくれることはない。
・痛みは、過去のストーリー。
・ストーリーがなくなったあと、残るのは、
愛―存在。
・「今・ここ」に常に多くの豊かさがあります。
・本当のあなたは、生も死も超えている。
・意識が死ぬことはない。
バイロン・ケイティ語録。
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YouTube【あけみちゃんねる】は現在、月に1回、“徹子の部屋”風に毎回ゲストを招いての「ライブトーク」(1時間)と
『もどっておいで私の元気!」(善文社)の「朗読YouTube・詩と音楽と映像のシンフォニー』(約4分)の2本立てのチャンネルです。
多くの方にチャンネル登録していただきありがとうございます。
【岡部明美 朗読Vol.03】
タイトル:哀しみ
【岡部明美第6回ライブトーク】
ゲスト: 清水友邦さん/ロケ編4大沢温泉(イーハトーブ心身統合研究所所長/『覚醒の真実』『よみがえる女神』著者)
2021年・岡部明美の活動
●5月5日、6日に湯河原「ご縁の杜」でイベントがあります。
音開きの演奏は伊藤マナ&ひろのクリスタルボウル、太鼓はチャッキリ
その後岡部明美と清水友邦さんのリアルライブトーク
その後清水友邦さんの
「呼吸道」があります。
どちらかご都合のいい日程を選べます。
●6月4日(金)〜6日(日)
湯河原「ご縁の杜」で岡部明美とアドラー心理学講師/カリスマ企業研修講師の小倉広さんとのコラボワークショップがあります。
テーマは
「カウンセリング型1on1コミュニケーションを学び、組織の健全度を上げる」
〜組織に心理学の学びを取り入れることで社風が格段によくなる〜
岡部明美《個人セッション・ワークショップ・LPL養成講座情報》
【2021年の予定】
●ワークショップ・LPL養成講座
岡部明美LP L養成講座の認定セラピストがオンラインで個人セッションをしています。
書籍&CDのお知らせ
●拙著2冊以上をご希望される方は、定価の2割引き、郵送費当方負担でお送りいたします。
●お申込み(お名前・ご住所・電話・メルアド・本のタイトル・冊数を書いて下記にお送りください)
『私に帰る旅』
(学芸みらい社)
角川学芸出版から刊行された本書が、
装幀も新たに学芸みらい社から刊行されました。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます
『約束された道』
(学芸みらい社)
2017年6月刊行と同時に増刷。
2018年4月第3刷決定。
Amazonで購入できます
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『もどっておいで私の元気!』
( 善文社)
1996年5月刊行から24年間のロングセラー。第12刷。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます
『いのちの花』
(CD)
¥2,000
CDは講演会、ワークショップ等で販売しています。必要な方は、Facebookのメッセンジャーにご連絡下さい。
投稿者プロフィール
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心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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