阿蘇・TAOリトリートセンターに出会うまでのあまりに不思議なシンクロ

阿蘇・TAOリトリートセンターに出会うまでのあまりに不思議なシンクロ

 

 

何が私たちをある日はある方向へ、

そして別の日は別の方向へ動かしているのだろうか?

それは偶然だろうか?

それは、心理学、物理学、それともシャーマニズムだろうか?

それは遺伝、夢、人間、世界の外的な出来事、あるいは宇宙の秩序だろうか?

 

上記の文章は、アーノルド・ミンデル(プロセス指向心理学創始者・心理学者・物理学者)の著書『大地の心理学』の帯のコピーだ。

このコピーに惹かれたのは、人生のある時期から頻繁に起こるようになったシンクロ(共時性・不思議な偶然の一致)が、文字通り不思議でならなかったからだ。

「私たちの人生を導いている不可思議な力」

 

 

先週末に阿蘇の「TAOリトリート」に行ってきた。

ここを運営しているのは、2018年環境大臣賞を受賞した一般社団法人「TAO塾」代表の波多野毅さん。

波多野さんとは、話せば話すほどお互いが歩んできた道の中で出会ったものに重なるものが多いことに驚く。

ホリスティック医学、トランスパーソナル 心理学、ホロトロピックネットワーク、マクロビオティック、ガイアシンフォニー、宮沢賢治、西式健康法、星野道夫、山尾三省、OSHO 、

竹内敏晴、鳥山敏子、甲田光雄、天外伺朗、神渡良平、手塚郁恵、堂園晴彦、矢山利彦、船越康弘、鶴一子、赤峰勝人、

上野圭一、ティム・マクリーン、高岡よしこ、アーノルド•ミンデル、ケン・ウイルバー、等々、数え上げればきりがない (敬称略)

 

TAOリトリートセンターでの波多野毅さんとマクロビオティックのお料理を作ってくださる北里洋子先生

 

別々の時間に、別々の場所で、お互いが興味を持って読んでいた本や映画や、やっていたことや、

不思議な偶然で出会っていた人が、ここまで酷似していたことにまずびっくりした。

ここまで似ていれば、どこかで会っていても不思議はないのだが、その時点では一度もお会いしたことがなかった。

点と点がつながり、ある日、人生の交差点でばったり出会う、人と人のご縁の不思議。

人は、いのちのど真ん中を歩くようになると、何か不可思議な力に導かれて、自分の道が自然に開かれていくようになっているのだろう。

いのちの網の目は、私たちのあずかり知らぬところで、しっかりと道を用意してくれているのだ。

道ーTAOは、いつだって私たちを手招きしているのに、左脳肥大症になっている現代人は、

その声に耳を澄ますことを忘れてしまっているのだと思う。

 

 

波多野さんの主宰する「TAO塾」の環境大臣賞の受賞理由は、

・環境に配慮したエコクッキング教室や、東洋医学に基づき、日本の伝統食をベースにした健康教室を長年に渡って行ってきたこと。

・自然エネルギー(風力発電と太陽光発電)、CO2削減などの環境問題の解決と、自然教育・健康教育両方をつなぐ活動をしていること、だそうだ。

波多野さんは、熊本大学の講師でもあり、鍼灸師でもあり、テルミーやよもぎ蒸しなどの自然療法の施術者であり、断食療法の指導者でもある。

自然治癒力を引き出すためのセミナーをタオリトリートセンターで毎月のように行っている。

 

 

私が波多野さんと出会ったのは、一昨年、九州のクロレラ工業を率いる(本社上席執行役員・営業本部副部長)の畑中隆治さんから依頼されて講演させていただいた時が初対面だった。

畑中さんは、拙著『もどっておいで私の元気!』(善文社)を気に入ってくださり、お客様たちに500冊もご紹介くださった方だ。

その畑中さんが敬愛する人の一人が波多野毅さんだった。

畑中さんが波多野さんに私の講演会にぜひ来てほしいと連絡したところ、

今度は波多野さんが驚いた。なぜなら波多野さんは、熊本のFMラジオで自分の番組を持っており、

その番組の中で毎回、『もどっておいで私の元気!」を朗読していたのだと言う。

畑中さんと波多野さんはこのシンクロに驚いた。

そんなご縁で、畑中さんと波多野さんが、今回、私を招いて、

「TAOリトリートセンター」で私のワークショップを開催してくださったのだ。

主催・事務局長は、LPL卒業生の山形竜也さん。竜ちゃんは現在、心理カウンセラーとして主に九州を中心に活躍している。

ワークショップの主催.事務局は初めであったにもかかわらず、竜ちゃんは、とても温かい場作りをしてくれて、みなさんに喜んでいただいた。

このメンバーだったからこその奇跡のような3日間だった。

 

波多野毅さんのご著書

 

3日間は、私のワークだけでなく、波多野さんの阿蘇の「原始力ツアー」もプログラムの中に入っていた。

脱原発派であり、自然エネルギー推進派の波多野さんが提言するのは「原子力」から「原始力」へ。

人間と自然の「原始力を取り戻そう」という波多野さんの理念には心から賛同する。

「教えない教育」「治さない医療」「救わない宗教」は、社会のパラダイムシフトを起こす理念だと波多野さんは言うが、私もずっと同じことを考えてきた。

教えたがりと教えてもらいたがり

癒したい者と癒してくださいと依存する者

治す者と治してくださいとすがる者

救いたい者と救ってくださいとすがる者

もうこんな共依存関係は古い時代のパラダイムなのだ。

気づきこそが自分の人生の舵を切る大きな我なのだから。

 

 

波多野さんは、故郷・阿蘇小国郷の生命力あふれる自然を案内してくださり、

身体全身で「原始力」を体感するツアーを担当しますと言ってくださった。

人の意識の変容には、何かをする(Do)の前の、

あり方(Be)を見つめることが大事というのは私と同じ想いだ。

変容は、大自然の中で生かされて「在る」私の「存在」への目覚めであり、

それぞれが、より大きな存在とつながっていることへの目覚め、

いのちは一つらなりであることの目覚めの機会を自然に楽しみながら体感、実感してもらいたいというのが波多野さんの願いだ。

 

 

阿蘇の雄大な自然は圧倒的な美しさだ。

イギリスのストーンヘンジ(世界文化遺産) のような場所が阿蘇にもあることを私は初めて知った。

押戸石の丘は、草原のパノラマと不思議な巨石群のエリアだ。

その巨石には、古代文字(シュメール文字)が刻まれていたり、磁石がクルクル回ってしまう不思議な磁場なのだ。

ここは阿蘇のパワースポットの一つでもある。

波多野さんは、「ここで夜シェラフに包まれながら満天の星を見るのも最高ですよ。来年はそれもプログラムに入れますか?」

と言ってくださり、一同大賛成!と大はしゃぎだった。

ただの阿蘇観光でなく、地元小国郷をこよなく愛し、

阿蘇の美しさと大自然への畏敬の念を持っていらっしゃる波多野さんがガイドしてくださるからこそ、とても充実したツアーだった。

この深く深く心身が満たされていくツアーは、

一昨年、清水友邦さん(『よみがえる女神たち』『覚醒の真実』の著者)のガイドで行った岩手イーハトーブツアーと同じ質のものだと感じた。

「宮沢賢治の世界・岩手イーハトーブツアー」

 

 

波多野さんは、この「押戸石の丘」に統合医療の世界的権威である、

あの「アンドリュー・ワイル博士」とティム・マクリーン&高岡よしこさんをお連れしたこともあると聞いてびっくりした。

ティムとよし子さんとは20年来の友人だし、学び合いの同士だし、ワイル博士が来日した時は、お二人は通訳と日本ツアーのガイドをされている。

私は、大病をした時に偶然手にしたワイル博士の『癒す心 治る力』
『ナチュラル・メディスン』を読み衝撃を受けたのだった。

私の古い価値観を木っ端微塵に壊してくれた本だった。

病気になるとどうしても人は、名医探しや、いい病院や、治る確率の高い代替療法や健康食品を探しまくるが(もちろん私もそうだった時期がある)

そもそもが、病気というものに対する見方が変わらない限り、

永遠に治してくれる人や何かを検索し続けてしまうのだ。

ワイル博士とシーゲル博士の本との出会いがなかったら、今こうして元気になった自分はいないかもしれない。

それにしても押戸石の丘の美しい夕陽は素晴らしかった。

巨石の上で瞑想したり、歌ったり、笑いヨガをしたり。

なんとも楽しい時間だった。

阿蘇という字は、「原点回帰」という意味だそうだ。

たしかに、「蘇」という字は、「よみがえり」という意味だ。

阿という字は、梵語(サンスクリット語)で、宇宙万物は元来、「不生不滅」であるという真理を表す音だという。

 

 

ここは「鍋ケ滝」。美しい滝だ。滝の裏側がとても広い空間になっている。

滝の裏側からは、水のカーテン越しに山あいの四季の幻想的な風景が楽しめるので、とても人気のあるスポットだ。

 

 

鍋ケ滝という名が面白いなと思ったら、阿蘇の「カルデラ」がそもそも、スペイン語で「鍋・釜」の意味を持つからだった。

阿蘇のカルデラを作った約9万年前の巨大噴火による火砕流は、小国町付近にも堆積している。

 

 

阿蘇の絶景と言えば、広大なカルデラを埋め尽くす雲海。

私たちも最終日、朝6時出発で大観峰に向かったが、残念ながらこの日は見られず。

 

 

波多野さんと畑中さんが、TAOリトリートセンターの裏にある浅瀬の川の水に足を付けながら、日本の未来を語っている。

同じポーズで話しをしているのが笑える。

心は、永遠の少年のようなお二人だが、語ることは、ミンデルが言う、

「地球規模で考えよ、そして、足元から行動せよ」

そのものだ。

TAO塾:
https://taojuku.jimdo.com

TAO Retreat & Cafe  :
https://taoretreat.jimdo.com

 

 

お二人のお話は、最近の私が最も関心を寄せている「SDGs」や「Teal組織」の内容そのものだ。

畑中さんは、「Teal組織」の本が出るもう20年以上前から九州クロレラを「Teal組織」化している人なのだ。

いのちの理(ことわり)、大自然の法則に従うことがビジネスの根幹であることをずっと社員や販売店さんのオーナーに伝え続けている愛と志の人で皆に慕われている。

新しい時代の意識が風のように吹いている場にいつも私は招かれているのを感じる。

「感性が目的地を知っている」

「出会いが人生を変えていく」

と言うのは本当だなあとしみじみ思う。

「経営者もそこで働く社員も、幸せを感じられなくなっている会社」

 

 

波多野さんも好きだと言う詩人の山尾三省さんの詩集を阿蘇リトリートの前に読み返してみた。やはり大好きな詩人だ。

『びろう葉帽子の下でー山尾三省詩集』(野草社)の最初のページに出てくる「川辺の夜の歌」に、

神を求めて泣きなさい

神を求めて泣きなさい

そうすればお前は神を見ることができるだろう

というフレーズがある。

私はこの「神を求めて泣きなさい」のところでいつも涙がこみあげてくるのだ。

 

 

この詩集に出会ったのはもうだいぶ前のことだ。

今回、波多野さんに会うことで、また読みたいと思ったのだった。

すでに亡くなられていた山尾三省さんが、屋久島に自分で建てられたたご自宅まで一人で旅したことがある。

深い鎮守の森のようなところに、その家はあった。

母屋の隣にある川べりの建物が山尾さんの書斎だった。

この森の家でいのちが共鳴するような、深い言葉が紡ぎ出されたのかと思うと、

しばらくその場から立ち去ることができなかった。

あれから3回、一人で屋久島に行った。

2回目、3回目は、「ビパッサナー瞑想」と「内観療法」を受けに行ったのだ。

参加者は私一人だったが、この沈黙の時間はかけがえのない時間だった。

屋久島も阿蘇もいのちの息吹が溢れてかえっているような場だった。

 

 

夢起こし

わたくしは ここで夢を起こす

どんな夢かというと

大地が人知れず夢見ている夢がある

その夢を起こす

大地には 何億兆とも知れぬ生きものの意識が

そこに帰って行った深い夢がある

その夢は椎の木

その夢は小麦

その夢は神

わたしは ここで夢を起こす

無言で畑を起こす一人の百姓が 一人の神であることを知り

無言で材を切る一人の大工が 一人の神であることを知り

無言で網を引く一人の漁師が 一人の神であることを知って

わたくしもまた神々の列に加わりたいと思う

 

 

びろう葉帽子の下で

ただの なんのへんてつもない びろう葉帽子

奄美大島の倒産した問屋が放出した 手作りの びろう葉帽子

それなのに それをかぶれば その瞬間から

敗れ去って行ったものの 不可思議の力がはじまる

わたくしが わたくしであるということは

必ず 敗れ去ったもののもとにある ということーー

そして その同じ瞬間に 喜びが はじまる

生きてあることの 美しいできごとが はじまるーー

ただの なんのへんてつもない びろう葉帽子

びろう葉帽子の下で ゆっくりと鍬を振り じやがいもを掘る

 

 


岡部明美ワークショップのお知らせ

 

◆「ボス型マネジメントからの脱却、ミッション経営の切り札1on1実践ワークショップ」

岡部明美&小倉広&上谷美礼

2019年11月29日(金)~12月1日(日)

湯河原リトリートご縁の杜

◆お問い合わせ、お申し込み

神奈川県・湯河原3dayワークショップ

 

岡部明美公式サイト

 

「ワークショップ」「個人セッション」「LPL養成講座」の情報はこちらをご覧ください。

http://www.okabeakemi.com

 


書籍&CDのお知らせ

 

『私に帰る旅』
(学芸みらい社)


角川学芸出版から刊行された本書が、
装幀も新たに学芸みらい社から刊行されました。
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『約束された道』
(学芸みらい社)


2017年6月刊行と同時に増刷。
2018年4月第3刷決定。
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全国の書店でもご注文できます

 

『もどっておいで私の元気!』
( 善文社)


1996年5月刊行から22年間のロングセラー。第12刷。
Amazonで購入できます
全国の書店でもご注文できます

 

『いのちの花』
(CD)


¥2,000
CDは講演会、ワークショップ等で販売しています。必要な方は、Facebookのメッセンジャーにご連絡下さい。

 

 

 

投稿者プロフィール

岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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