中村哲医師のドキュメンタリー  【荒野に希望の灯を灯す】  は多くの日本人に見てほしい映画だ

中村哲医師のドキュメンタリー 【荒野に希望の灯を灯す】 は多くの日本人に見てほしい映画だ

 

百の診療所寄より1本の用水路を

中村哲医師の活動は十数年前から知っていた。

こんな日本人がいることに驚きと尊敬の念を抱き続けていた。

その中村哲医師が

2019年12月4日に凶弾に倒れたことを知った時はショックと無念の想いにしばし呆然となった。

アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、

病や戦乱そして干ばつに苦しむ人々に寄り添いながら生きる手助けをしてきた、

日本人医師・中村哲氏の活動を記録したドキュメンタリー

『荒野に希望の灯を灯す』を先日仲間達と見てきた。

見終わった後、映画の感想を述べる者はひとりもいなかった。

言葉を失った。それぞれがただ深く深く心を揺さぶられた。

 

無謀とも言える挑戦

アフガニスタンで医療支援を続ける中で起こった大干ばつ。

渇きと飢えで人々は命を落とし、農業は壊滅。

そんな中で、医療で人々を支えるのは限界があると考えた中村哲さんの決断。

それは無謀とも言える用水路建設だった。

専門家がいないまま進められたこの建設は苦難の連続。

 

荒れ果てた大地が広大な緑の大地へ

中村哲医師は土木工学を一から学び、

諦めることなく一つ一つ課題を乗り越え

7年の歳月をかけて用水路を完成させた。

今ではこの用水路が運ぶ水で、荒れ果てた荒野は広大な緑の大地へと変貌し、

現在65万人の命が支えられている。

砂漠化していた大地が蘇り、実りと共に、

人々が自分達の生活を取り戻していく過程で、

「私たちはただ、農地を耕し、大地の恵と共に、家族と一緒に暮らしたいだけだ」

そう話す人々の上を他国の戦闘ヘリが大きな音を立てて通り過ぎていく。

あまりにミスマッチなこの光景と共に中村哲さんの言葉が心に響く。

 

武力を使わずに平和をもたらす方法

「彼らは人を殺すために空を飛び

われわれは生きるために地面を掘る」

多様化複雑化する国際社会において、

武力を使わずに平和をもたらす為の一つの希望がこの映画の中にある。

病気を治療すること、食糧を配給すること、用水路を建設すること。

それらの行動に通底する中村哲医師の人間や自然に対する敬意。

無理にコントロールしようとするのではなく、

元の自然の姿を最大限に尊重し共存していく中でこそ実現する、真に有効な支援の在り方。

 

成し遂げたことの途方もなさ

人を救うとはどういうことなのか、

人生の全てを以って、我々に問いかけ導いてくれている気がした。

中村哲医師のなしとげたことの途方もなさと、

一度として声も表情も荒げることのない穏やかなお人柄とその笑顔の対比がなんとも言えない。

静けさをたたえた深い眼差しでありながら、

絶望の淵から何度も這い上がってきた人の熱い情熱と志も同時に感じる。

映画の中で中村哲医師が語る言葉も哲氏の本の中で語られる言葉もどれもが深く心に染み入ってくる。

 

中村哲医師の言葉

・誰もそこへ行かぬから、我々がゆく。

誰もしないから我々がする

・裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。

・平和とは理念ではなく現実の力なのだ。

・彼らは殺すために空を飛び、われわれは生きるために地面を掘る。

彼らはいかめしい重装備、われわれはほこりだらけのシャツ一枚だ。

彼らには分からぬ幸せと喜びが地上にはある。

 

薬だけでは人々の健康は守れない

・平和とは決して人間同士だけの問題でなく、

自然との関わり方に深く依拠していることは確かである。

・生きとし生けるものが和して暮らせること、これが確たる恵の証である。

世界の片隅であっても、このような事実が目前で見られることに感謝する。

・私は医療関係者だが、薬だけでは人々の健康は守れない。

・これは平和運動ではない医療の延長なんです。

医療の延長ということは、どれだけの人間が助かるかということ。

・私たちは安易に平和や国際協力を語らない。

それは生身の人間の現実に肉迫することでしか得られないからだ。

・乾いた大地で水を得て、狂喜する者の気持ちを我々は知っている。

水辺で遊ぶ子供たちの笑顔に、

はちきれるような生命の躍動を読み取れるのは、我々の特権だ。

そして、これらが平和の基礎である。

 

いのちの仕事

【荒野に希望の灯を灯す】

ぜひ多くの人に見てほしい映画です。

中村哲医師の活動を支え年間3億もの支援を送り続けたペシャワール会の人々、

中村哲医師のいのちの仕事を21年間撮影し続けた谷津 賢二監督にも敬意を表します。

「人生になんの意味も感じない」「生きる希望も生き甲斐も何もない」と言っていた若者達が

「こんな日本人がいたということが誇りに思える」

と映画評に書いてあったのを読んで胸が熱くなりました。

「荒野に希望の灯をともす」の公式サイトです。

http://kouya.ndn-news.co.jp/


【YouTubeあけみちゃんねる】

「いのち」


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詳細はこちら

● 2023年4月21日(金)\~23日(日) 2泊3日

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(講師:岡部明美・清水友邦 )

テーマ
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2023年6月~12月 全7回(各回2日間、最終講のみ3日間)

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投稿者プロフィール

岡部明美
岡部明美
心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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