第158回直木賞を受賞した「銀河鉄道の父」(門井慶喜著)の映画を見てきた。
ヤバかった。すっかり油断していた。
まさか後半、あんなに泣ける映画だなんて想像もしていなかった。
この映画は、宮沢賢治の文学「銀河鉄道の夜」詩集「春と修羅」「雨ニモマケズ」童話「よだかの星」などの賢治の作品や
彼の生き様や作品が後世にどれほどの影響を残したかなんて全く知らない人にでも心打つものがあると思う。
そのくらいどこの家庭にもある悲喜交々の普遍的な親と子の物語だからだ。
父親の視点から描かれた家族の物語
この「銀河鉄道の父」という映画は、
名作「銀河鉄道の夜」を書いた宮沢賢治の父親である「政次郎」さんの視点から見た家族の物語だ。
父親と息子の想いがことごとくすれ違っていく。
この噛み合わなさ、互いにわかりあえないことの怒りや絶望や諦め。
でもその気持ちの最奥に本当はあった愛に、生きている間には互いに気づけなかった切なさ。
父親に反抗し続ける息子
岩手県の花巻市で質屋の二代目としてかなり裕福な暮らしをしていた賢治の父、政次郎。
賢治は政次郎の長男として生まれて当然3代目として家業と宮沢家を継ぐものとして期待されるが、
賢治は質屋という仕事を毛嫌いし、父親に家業は継がないと宣言。
結婚して子どもを作って宮沢家を守れという父の命にも従わない。
文学に熱中したり、突然信仰に生きると言い始めたり、人造宝石職人になると言ったり、
星や鉱石や天体に夢中になったり、日本の「アンデルセン」(デンマークの童話作家・詩人)みたいな物語作家になると言い出したり。
今だったら、「世間知らずの社長のボンボンが何たわけたこと言っとるねん」と周囲の人たちから言われて終わりだっただろう、賢治の生き方は。
挫折だらけの人生
詩人であり、童話作家であり、
農民の生活向上の為に尽力し、
花巻農学校の優れた教師でもあった宮沢賢治。
天文学、地質学、鉱物や植物を愛した賢治だったが、その人生は挫折の人生だった。
賢治が生きている間には、そのいのちの仕事は全く評価されず、作品も全然売れなかったのだ。
心の宇宙は至福に満ちていた
作品が高く評価され多くの読者の心を揺さぶるようになったのは、彼が亡くなった後だった。
宮沢賢治は3次元の世界では、挫折と葛藤と失意にまみれることの多かった人生だったが、彼の心の宇宙はいつも至福に満ちていた。
賢治の生き方や活動や作品を後世に残したのは、
早逝した妹トシ、
そして弟と父親の政次郎さんだったのだが、
賢治は父の想いだけは受け取らずに僅か37歳でこの世を去ったのだ。
まぶたが腫れるほど泣いた後半のストーリーは敢えて割愛。
父、政次郎さんの役は、役所広司だったが、いやぁ、ほんと惚れ惚れするほどいい役者だなあ、役所広司は❤️
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心理カウンセラー、セラピスト、研修講師、作家、東海ホリスティック医学振興会顧問
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