自らの道を歩み進むために

自らの道を歩み進むために


子どもの頃から本を読むのが好きだった私にはたくさんの感動的な本の思い出がある。

私の夢の一つに森の中に「カフェ森の図書館」を作りたいというのがあるくらいの本好き。

そして素敵なカフェで一人で心地いい時間を過ごすのも大好き。

感動した本は数えきれないほどあるけれどと、感動を超えて衝撃を覚えた本がいくつかある。

「頭での理解」や「心での感動」ではなく、

まさに魂を鷲掴みされた本と言っていいだろう。

10代、20代に読んだ本では

『出家とその弟子』(倉田百三)『愛の無情について』(亀井勝一郎)『東京漂流』(藤原新也)『沈黙』(遠藤周作)

40代の初め頃、大きな衝撃を受けたのがOSHOの『存在の詩』だ。

最初に読んだ時は、難解だし意味もわからないのになぜこんなに涙が出るのかがわからなかった。

魂が揺さぶり続けられた衝撃的な本の筆頭は私にとってはこの「存在の詩」で、

今でも4、5年に1回は手に取り、再読している。

今回、復刻版が出て嬉しい。

目に見えない世界の真理を知る準備ができた人が増えてきのだろう。

時代の意識とは、人々の集合意識の反映なので、これからは目醒めへのウェイクアップコールを鳴らす本がさらに増えていくのではないかと思う。

宮沢賢治の本も子どもの頃から大好きだったが、

量子物理学などを少しかじるようになった今、再び読み直してみると、

賢治の文学は、まさに目には見えない世界の真理を詩的に物語り、

これはもしかして量子論の世界なのではないかとさえ思えるのだった。

 

人間のまことの幸せとは何か?

「やさしい光の波が 一生けん命一生けん命ふるえているのに いったいどんなものがきたなくてどんなものがわるいのでしようか」

「みんな時間のないころのゆめをみているのだ」

「青ぞらいつばい鳴っている あのりんとした太陽マジックの歌をお聴きなさい」

「なべての みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ 風とゆききし 雲からエネルギーをとれ」

「僕 もうあんな大きな闇の中たって怖くはない きっとみんなの本当のさいわいをさがしに行くどこまでもどこまでも僕たちは一緒に進んでいこう」

「感ぜられない方向を感じようとするときは たれだってみんなぐるぐるする」

「たたそこから 風や草穂のいい性質が あなたがたのこころにうつって見えるならどんなにうれしいかしれません」

「すべてが わたくしの中の みんなであるように みんな おのおのの中の すべてですから」

「なにがしあわせかわからないのです  本当にどんなつらいことでも それが ただしい道を進む中でのできごとなら 峠の上りも下りも みんなほんとうの幸福に近づく一足ずつですから」

賢治はきっと、野を渡る風の歌を聴きながら、花や樹や鳥や虫たちとも話をしていたのだろう。

自然にはみな心があって、宇宙は歌をうたっていると思っていたのかもしれない。

自然や宇宙の心、 宇宙の物語、 そのリズムやメロデイやハーモニーを言語化したものが賢治の文学なのでは ないだろうか。

賢治は詩や童話を書く文学者であり、 貧しき農民たちを救った農学者であり、 星や鉱石を愛する科学者でもあった。

農学校の教え子たちには、一生忘れられない先生として慕われた教師でもあり、

自分の死の間際に、 法華経の経を読みながら死んでいった信仰者でもあった。

「人間のまことの幸せとは何か」を生涯問い続け、世界の平和を願い続けた賢治の世界に私はいつも戻ってくる。

 

 これで体質が変わっていくよ

今回のブログは前回のブログの続きになります。

断食は体質改善だけではなく、意識がクリアになっていきます。あれやこれやの思考の雑念が減っていくのがわかりました。

甲田先生の断食療法は、単なる病気治しではなく意識の変容を促すものでした。

意識が変わることが、自分が変わっていくことであり、人生が変わっていくことであることを

「最悪な出来事」と思っていた病気が教えてくれたのです。

前回の続きをここから書いていきます。

前回のブログ:断食っていいの? 「体の浄化」と「心の浄化」

 

甲田先生は白衣を着て聴診器をぶらさげているけれど、聴診器を当てているのは見たことがない。

先生は掌を患者さんのからだの数センチ上あたりに置き、からだ全体をサーチするのだ。

それだけで病態やどんな食習慣をしてきた人なのか、 どの辺の気の流れが悪くなっているのか、どこに宿便がたまっているかぜんぶわかるのだ。

先生は私のお腹に手を当てて、「ここだな」と指で押した。

途端に私は痛くて飛び上がった。

入院して一週間目に大量の宿便が出た。

先生に報告すると、「これで体質が変わっていくよ。 あと二週間がんばってみるか。

ただし、 退院後も定期的に半断食すること」と言われた。

 

渡りに船とはこのことだ

しかし、定期的に半断食するように言われても、家では主婦業をしているので難しい。

甲田先生を紹介してくれた後にビジネスパートナーになるMさんに退院の報告とお礼を言って、甲田先生に定期的に半断食するよう言われたことを伝えた。

するとMさんは、大学の教え子たちにアトピーの生徒が年々増えていることから、

希望する生徒たちに玄米菜食の食養生や半断食の合宿、砂療法 (砂浴。海の砂の中に顔以外の裸のからだ全部を数時間埋める強烈な毒出し、デトックス法) によるからだの毒出し体験の合宿を定期的にやっているというので驚いた。

渡りに船とはこのことだ。

私も学生たちに交じって半断食の合宿に月一回参加させてもらうことにした。

 

自らの道を歩み進むために

Mさんの半断食合宿は、甲田医院でやっているプログラムと基本は同じだ。

私は突然癒しの世界から修行の世界にモードが切り変わってしまった。

鍛錬、訓練、精神統一。

修行は厳しいが、この世界、私は嫌いではない感じ。

西式の運動療法は相変わらずきついが、甲田医院で毎日やっていたし、家でもやっていたので慣れていた。

学生さんたちはヒーヒー言いながらやっていたが。 半断食は、メニューの中にリ ンゴのすりおろしや大根おろし、ニンジン&リンゴジュースが出てくるのでかなり贅沢感があった。

野菜や果物は、Mさんが農家の人に土壌改良から教えた有機農産物で安全なものばかり。

酵素たつぶりの半断食は、血液がきれいになっていくのがうれしい。

食べる前には、 合掌をしながら 「五観の偈」(ごかんのげ)を唱える。

これは甲田医院の難しい方の 「五観の偈」とは違って、ティク・ナット ・ハン (マインドフルネス瞑想を世界に広めたベトナムの褝僧) の「五観の偈」だった。

私はこれがとても好きだった。

 

《五観の偈》

この食べ物は宇宙全体・地球・空

そして全ての賜物です。

それらにふさわしい生き方が

私たしたちにできますように。

貪りなど未熟な心の在り方を

私たちが変えていくことが

できますように。

自らを養うものだけをとり

病を防ぐことができますように。

自らの道を歩み進むために

この食べ物をいただきます。

 

 

ただ感じていたかった

極めつけの修行は、甲田医院では落ちこばれだった40分間の合掌行。

これを、「般若心経」を唱えながら正座して40分行なう。

まず、掌を合わせて正座をする。

胸の真ん中で掌を合わせて合掌の姿勢をとる。

肘が胸から下に落ちていかないように注意する。

背筋もビンと伸ばす。

そして、体中に陽の光をいつばい受けて、自分のからだが光に包まれているイメージをする。

光が頭頂部の百会から入ってきて、背骨の中を光のシャワーが通り、不要なものをきれいに洗い流していくイメージで。

そして、光が頭から手足の先まで、からだ全部を包み込み、抱きしめ、ポカボカと温めてくれているイメージを描く。

からだがだんだん温かくなってきたと感じたら、次は、自分のからだが透き通って金色に輝いているイメージを描く。

病気のある部分には特に意識を集中させて、 そこが光によって癒されていくイメージを描く。

そして心の中で、 自分のからだと光に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える。

 

突然、滂沱の涙があふれてきた

それから、合掌の姿勢のまま、般若心経を40分間唱えるのだ。

漢字ばかりだけれど、ふりがながふってあるから大丈夫。

「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子・・・」

「般若心経」は、本で読んたことはあるけれど、 こんな風に声に出して唱えたのは初めてだ った 。

結構朗々と唱えられる自分にびつくりした。

なぜか、とても懐かしい感覚があ って 、

「私、これ好きだなあ」と思った。

昔の自分だったらこんな抹香くさいこと、やれと命令されたとしても絶対やらなかっただろうけれど。

何度も何度も、繰り返し般若心経を唱えていたら、

からだの奧からこみあげてくるものがあって、

突然、 滂沱の涙があふれてきた。

私が涙と鼻水を 垂らしながら一生懸命唱えていたら、

隣の学生さんがティッシュの箱を前に置いてくれた。

でも私は、合掌している手を離したくなかったので、

そのままジーンズに涙と鼻水をボタボタ垂らしながらやり続けた。

20分くらい経つと猛烈に上腕と大胸筋と脇の下が痛くなってきた。

 

「ヤッター!」と最高の満足感

学生さんたちは早々にギブアップ。

でも私はやりたかった。

やり通したかった。

Mさんが 「今、35分。 あと5分で終わりです」と言った時には、

エベレスト登頂寸前の登山者みたいな気分で、

「よっしゃあ、 あと五分。がんばるぞー!」

と自分に気合を入 れた。

般若心経は、気合を入れて唱えるようなものではないのたろうけれど、

正座して40分間の合掌行をやりながらというのは、

本当に半端ではないきつさで、気合でも入れなければとてもやり続けられない。

足はしびれるわ、 肩と腕と脇の下が痛いわで、 他のことが何も考えられなかった。

「はい、 終了です。 ゆっくり肩を回して、 からだをほぐしてくださいと言われ時は、

「やったあー !」と、 最高の満足感だった。

でも、いざ、からだをほぐそうとして、 肩を回そうとしたら

「イテテテー」とうめいてしまい 、そのままバタっと後ろに倒れてしまった。

しばらく横になったまま 、修行をやり遂げたからたを休ませた。

自分で自分を、 「よくやった、 ヨシヨシ」とほめてあげた。

 

合掌行を毎日100日間!!

そうしたらMさんは、 なんと私にだけ、

「これを家で100日間毎日やってみない?」

などと恐ろしいことを言うのだった。

「うへぇ、何を言うの、 このオッサン」

と思ったのだけれど、心とは裏腹に

「よっしゃ、やったる!」

「なせばなる、なさねばならぬ、 何事も!」

などと調子のいいことを口走ってしまった。

気合が入ると、つい、おっさん口調になってしまう。

「さっき、 般若心経を唱えていた時に涙がいっぱい流れてきたでしよう。

なんで意味もわからないのにこんなに涙が流れるのだろう?

何が書かれているのだろう?

ここに書かれてあることの意味が知りたいって思ったんじゃない?」

とMさんは言って、

一冊の本を私に渡してくれた。

 

静謐という言葉でしか表現できない

それはMさんが好きだという、『ティク・ナット・ ハンの般若心経』 (壮神社) だった。

ティク・ナット・ ハンはベトナム戦争中、

「行動する仏教」 の指導者になり、被災者、難民の救済に尽くした人だ。

1972年には、「パリ平和会議」の仏教団代表にも選ばれている。

亡命生活を余儀なくされたティク・ナット・ ハンは、

南フランスに仏教者の共同体「プラム村」を作り、

難民の孤児たちを自らの子供として育てながら、

世界各地で講演と瞑想の指導をしている人だという。

『般若心経』 の裏表紙には、「般若心経の文字は、ただ唱えたり、祭壇に飾って崇拝したりするものではありません。

これは、私たちが、 みずからの解放、すべてのものの解放に努めるための道具として、 与えられたものです。

土を耕すための道具のようなものです。

農作をするために与えられ た道具に似ています。

アヴァローキタ(観世音菩薩)からの贈り物ですとある。

私は最初のページの写真に目が釘付けになった。

それは、プラム村の朝もやの中を我が子として育てている孤児の子の手をひいて歩いているティク・ナット・ハンの姿だった。

墨絵のようなモノトーンの写真。

静謐という言葉でしか表現できないような深い森の静けさ。

その森の中を、父と娘が手をつないで歩いている。

なんとも言えないやさしさ、温かさ、静けさが写真から漂ってくる。

ふと、慈悲とか慈愛、祈りという言葉が浮かんだ。

しばらく、その写真をぼーっと眺めていた。

私はこの写真たけで十分と思った。

般若心経の解説本を読んで頭で理解することよりも、

今は、この写真から漂ってくるものを、ただ、感じていたかった。

 


 

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